土地の値段・相場の調べ方|狭小地は坪単価だけで判断しない
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「この土地、今ならいくらで売れるんだろう」。相続や住み替えで土地を手放そうと考えたとき、最初に浮かぶのはこの疑問ではないでしょうか。不動産会社に相談する前に、まず自分でおおよその値段を知っておきたい。そう思う方は少なくありません。
実は、土地の値段は国が公開しているデータを使えば、簡単に調べられます。この記事では、公的なデータを使った土地の値段・相場の調べ方を、手順つきで紹介します。あわせて、狭小地や旗竿地のように形に癖のある土地で、坪単価をそのまま当てはめてはいけない理由もお伝えします。
結論
土地の値段は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」の取引価格、国税庁の路線価、公示地価・基準地価、固定資産税評価額の4つで、自分でも無料で調べられます。
SUUMOなど民間の相場マップは手軽ですが、載っているのは主に売り出し価格で、土地ごとの形や条件までは反映していません。
狭小地や旗竿地は、坪単価をそのまま当てはめず、似た広さの取引の「総額」で比べるのが安全です。
土地の値段を調べる4つの公的データと相場マップ
土地の値段は、4つの公的データと、民間の相場マップを組み合わせて調べます。中でも一番参考になるのは、近所で実際に売れた価格が分かる「不動産情報ライブラリ」です。路線価と公示地価はエリア全体の水準をつかむのに、固定資産税評価額は毎年届く納税通知書で手軽に確認できます。
| データ | 公表元 | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 不動産取引価格情報・成約価格情報 | 国土交通省(不動産情報ライブラリ) | 実際に取引された価格(アンケート等に基づく) | 近所で似た土地がいくらで売れたかを見る |
| 路線価(相続税路線価) | 国税庁 | 道路ごとに付けられた1㎡あたりの評価額。毎年7月ごろ公表 | 自分の土地の前面道路の評価を知る |
| 公示地価・基準地価 | 国土交通省・都道府県 | 標準的な地点の1㎡あたりの価格 | エリア全体の水準と変動を見る |
| 固定資産税評価額 | 市区町村(23区は都税事務所) | 固定資産税の計算に使う評価額 | 手元の納税通知書で確認できる目安 |
| 相場マップ(民間) | SUUMOなどの不動産ポータルサイト | 周辺の売り出し価格をもとにした目安 | 手早く、大まかな水準を知る |
SUUMOなどの不動産ポータルサイトには、地図上で周辺の坪単価がすぐ分かる「相場マップ」もあります。手早く見当をつけるには便利な道具です。ただし、そこに載っているのは主に売り出し価格で、実際に成約した金額ではありません。狭小地や旗竿地のような個別の事情も反映されていないので、あくまで最初の目安と考えてください。
公示地価は毎年1月1日時点の価格を3月ごろに、都道府県地価調査(基準地価)は7月1日時点の価格を9月ごろに、それぞれ国土交通省が公表します(公表日は年によって前後します)。直近の数字を見たいときは、この公表時期も頭に入れておくと迷いません。
不動産情報ライブラリで実際の取引価格を調べる
不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する無料のWebサービスです。地図の上で、過去の取引価格や地価公示、用途地域(建てられる建物の種類を決める区分)を確認できます。コツは一つ、自分の土地と面積が近い取引を探すことです。
調べ方の手順
不動産情報ライブラリで取引価格を調べる手順
- サイトを開く「不動産情報ライブラリ」で検索する
- 地図で場所を選ぶ自分の土地の周辺を表示する
- 種類を選ぶ調べたい物件の種類(更地なら「土地」、建物付きなら「土地と建物」)に絞り込む
- 時期を絞る取引時期を直近の数年にする
- 似た取引を探す面積・前面道路・駅からの距離が近いものを選ぶ
画面の細かいレイアウトやボタンの名前は、サイトのリニューアルで変わることがあります。「地図で場所を選ぶ」「種類と時期を絞る」「似た取引を探す」という流れ自体は変わりにくいので、実際の画面で迷ったら、この手順に沿って近い項目を探してみてください。
過去の値段の移り変わりも追える
「今いくらか」だけでなく、「数年前と比べてどう変わったか」も同じ画面で分かります。取引時期を古い年に変えれば、過去の土地価格の推移をたどれます。地価が上がっている地域か、下がっている地域か。これが分かるだけでも、売り時を考える材料になります。
狭小地で見るべきポイント
一覧には、面積、形、前面道路の幅や種類、用途地域などが表示されます。狭小地なら、面積が近い取引を優先して見てください。自分が15坪なら、10〜25坪程度が目安です。
広い土地の取引の坪単価は、そのまま当てはめない方が安全です。理由は後半の「坪単価だけで判断しない」の節で説明します。10坪・15坪前後の土地に絞った話は、10坪・15坪の土地に建つ家と価格の決まり方にまとめています。
坪単価の出し方(㎡から坪に直す)
坪単価は、土地の価格を坪数で割ると出ます。1坪は約3.3058㎡(400/121㎡)です。不動産情報ライブラリや路線価は㎡で書かれているので、坪に直すところだけ気をつけましょう。
例えば、50㎡の土地が3,000万円で取引されていたとします(仮の数字です)。
- 坪数にする:50㎡ ÷ 3.3058 = 約15.1坪
- 価格を割る:3,000万円 ÷ 約15.1坪 = 坪単価は約198万円
㎡単価がすでに分かっているなら、もっと簡単です。3,000万円 ÷ 50㎡ = 60万円(1㎡あたり)に、3.3058を掛けると、約198万円(1坪あたり)になります。
ここに
「土地と建物」の取引は、価格に建物の分が含まれています。そのまま面積で割っても、土地の坪単価にはなりません。更地の取引か、土地だけの価格が分かるものを選んでください。
出てきた坪単価は、あくまで比べるための目安です。自分の土地の値段は、この数字に面積を掛けて決めるのではなく、似た広さの取引の総額と並べて見ます。理由は、後半の「坪単価だけで判断しない」の節で説明します。
路線価・固定資産税評価額から自分で計算してみる
路線価と固定資産税評価額は、どちらも「時価そのもの」ではありません。ただ、一定の目安を掛ければ、大まかな時価を割り出せます。ここでは、その計算のしかたを見ていきます。
路線価の見方
国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のページを開きます。都道府県、区、町名の順に選ぶと、路線価図が出てきます。
こと
道路ごとに付けられた、1㎡あたりの土地の評価額です。国税庁が相続税などの計算用に公表しています。路線価図の道路に書かれた数字は千円単位です。例えば「300D」なら1㎡あたり30万円で、後ろのアルファベットは借地権割合を表します。
例えば、路線価が1㎡30万円で、面積が50㎡の土地を考えます。30万円×50㎡=1,500万円が、相続税の評価の出発点です。時価の目安にするなら、これを0.8で割り戻して約1,875万円と考えます(いずれも仮の数字です)。
相続税の申告のために、路線価をすでに調べたことがある方もいるでしょう。その資料が手元にあれば、そのまま流用できます。相続をきっかけに土地を手放す場合の手続き全体は、相続した土地を売る流れで説明しています。
固定資産税評価額から割り戻す
毎年届く固定資産税の納税通知書には、「価格」という欄があります。これが固定資産税評価額です。目安として、公示地価の7割程度に設定されているとされます。そこで、時価を知りたいときは0.7で割り戻すという考え方があります。例えば評価額が1,050万円なら、1,050万円÷0.7=約1,500万円が目安です(仮の数字です)。
狭小地では「補正」がかかる
相続税の評価では、形や間口に難のある土地は、路線価に「補正率」を掛けて評価を下げます。間口が狭い、奥行きが長すぎる、形がいびつ、といった土地です(間口狭小補正、奥行長大補正、不整形地補正など)。
これは税金の計算上の話です。ただ、実際の売買でも似た傾向があります。建物を建てにくい部分があるぶん、同じ道路沿いの整形地より安く見られやすいのです。
公示価格(公示地価)で地域の水準を見る
公示価格は、国土交通省が毎年、全国の決まった地点(標準地)について公表している土地の価格です。「公示地価」と呼ばれることも多く、同じものを指します。前年からの変動率とあわせて公表されるので、近くの地点の数字を見てみてください。エリアの相場が上がっているのか、下がっているのか、大まかな傾向がつかめます。
公示価格は、毎年1月1日時点の価格が3月に公表されます。個別の標準地の価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で見られます(出典:国土交通省「地価公示」)。公示価格は「その地点の標準的な土地」の価格で、あなたの土地そのものの値段ではありません。広さや形が違えば、そのままは当てはまらないので、地域の水準をつかむために使います。
実勢価格とは?路線価・公示価格との違い
実勢価格とは、実際に売買が成立する値段のことです。いくらで売れそうかを知りたいとき、本当に知りたいのはこの値段でしょう。ただ、実勢価格には公式な一覧表がありません。売り手と買い手が合意した金額が実勢価格になります。
そこで、公表されている数字から、実勢価格の見当をつけます。路線価・固定資産税評価額は、公示価格をもとにした目安の値段で、時価より低めに設定されています。
| 呼び名 | 誰が決めるか | 何のための値段か | 時価との関係 |
|---|---|---|---|
| 実勢価格 | 売り手と買い手 | 実際の売買の値段 | 時価そのもの |
| 公示価格 | 国土交通省 | 地域の土地の価格の目安 | 時価に近いとされる |
| 路線価 | 国税庁 | 相続税などの計算 | 公示価格の8割程度が目安 |
| 固定資産税評価額 | 市区町村(東京23区は東京都) | 固定資産税などの計算 | 公示価格の7割程度が目安 |
実勢価格の調べ方は、前にご紹介した不動産情報ライブラリの「取引価格」を見るのが基本です。似た広さ・形の土地の取引が見つかれば、それが実勢価格の手がかりになります。ただし狭小地は、取引が少なく、事情によって値段が大きく動きます。見つからないときは、不動産会社の査定で確かめてください。
相場を調べてはみたものの、自分の土地にどう当てはめればいいか分からない。そんなときは、調べ方を一緒に確認するご相談も受け付けています。
狭小地・旗竿地は坪単価だけで判断しない
狭小地の坪単価は、周辺より高く出ることも、低く出ることもあります。だから、坪単価に面積を掛けただけの金額は当てになりません。似た広さの取引の「総額」で比べるのが確実です。
狭小地の坪単価がぶれる理由
坪単価が高く出る
- 総額が手ごろで、予算内に収まる
- 買い手が多く集まりやすい
- 木造3階建てが無理なく建つ
坪単価が低く出る
- 間口が狭い、旗竿地など形が悪い
- 容積率が小さい、高さ制限で3階建てが難しい
- セットバックが必要
- 再建築不可、私道の承諾が得られない
理由1:総額が手ごろなため、坪単価が高く出ることがある
23区では、土地と建物の総額に予算の上限がある買い手が多くいます。広い土地は総額が大きくなりすぎて、買い手が減ってしまいます。狭小地は総額を抑えられるので、坪単価で見ると周辺より高く売れることがあるのです。
買い
建売業者の仕入れ担当が値段を出すとき、坪単価から入ることはまずありません。その土地に何階建ての家が何棟建つかを図面で確認し、完成後にいくらで売れそうかを逆算します。そこから解体費や建築費を差し引いた残りが、仕入れられる金額です。周辺の坪単価は、最後に見比べる材料の一つに過ぎません。
理由2:建てられる家が小さいと、坪単価が低く出る
反対に、建てられる家が小さくなる土地は、周辺の坪単価より大きく下がることがあります。形が悪い、高さ制限が厳しい、といった土地です。道路の中心から2m下がって建てなければならない土地(セットバックが必要な土地)も、使える面積が減ります。
旗竿地のように、細い通路の部分まで面積に含まれる土地も同じです。数字上の面積は広くても、実際に建てられる家はその分小さくなります。旗竿地ならではの評価のされ方は、旗竿地は売れる?で詳しく解説しています。
同じ坪単価で計算した金額を「うちの土地の価格」と思い込むと、売り出し価格を高くしすぎてしまいます。これが売れ残りの原因になりがちです。売れ残ったときの見直し方は狭小地が売れない理由と対策で解説しています。
相場を価格判断に使うときの注意点
公的データで分かるのは、あくまでエリアの目安です。1件の取引だけで決めつけず、最後は査定で「その土地ならではの条件」を反映させます。比べるときは、売却価格ではなく手取り額で考えましょう。
取引価格には個別の事情が含まれる
ここに
取引価格の中には、親族どうしの売買や、業者が相場より安く仕入れた取引も混ざっています。1件だけで判断せず、複数の取引から価格の幅をつかみましょう。
最終的には査定で「その土地の条件」を反映する
接道、間口、形、建ぺい率・容積率、周辺の建売の販売価格。こうした個別の条件は、査定で反映されます。査定で何を見られるかは、査定で見られる7つのポイントを読んでおくと、担当者の説明が理解しやすくなります。
手取り額で考える
相場は、売却価格の目安にすぎません。実際に手元に残るのは、費用と税金を差し引いた金額です。仲介手数料や測量費、譲渡所得税がいくらかかるかは、土地を売るときの費用と税金の一覧にまとめています。
業者に買い取ってもらう場合は、仲介の相場より価格が低めになりやすい点も知っておきましょう。早く確実に売れる代わりに、価格には差が出ます。買取の仕組みや目安は、狭小地の買取とは?で解説しています。
区ごとの事情は地域別ガイドで
相場の水準や売れやすい土地の条件は、区によって違います。当サイトでは、周辺区ごとに相場の調べ方をまとめました。足立区の売却ガイドや葛飾区で土地を売るときのポイント、江戸川区の相場の調べ方、北区の狭小地が売れやすい条件などです。板橋区や練馬区、中野区の土地売却のガイドもあるので、お住まいの区から読んでみてください。
自分の土地がいくらくらいで売れそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、相場の幅がつかめます。
よくある質問
Q. 固定資産税の評価額から売却価格は分かりますか?
おおよその目安にはなります。固定資産税評価額は、公示地価の7割程度を目安に設定されているとされます。そのため、0.7で割り戻す考え方があります。ただ、狭小地や不整形地では、実際の取引価格とずれることも多いです。
Q. SUUMOなどの相場マップだけで判断してもいいですか?
大まかな水準をつかむのには便利です。ただ、載っているのは主に売り出し価格で、実際に売れた金額ではありません。狭小地や旗竿地は、相場マップの坪単価と実際の値段が特にずれやすいので、不動産情報ライブラリの取引価格もあわせて確認しましょう。
Q. 近所で似た土地の取引が見つからない場合は?
範囲を少し広げ、同じ駅の周辺や、同じ用途地域の取引を探します。それでも見つからなければ、路線価と公示地価で水準をつかみましょう。そのうえで複数の会社に査定を頼み、価格の幅を確認します。
Q. 不動産会社の査定額と、自分で調べた相場が違います。
違うのは珍しくありません。会社が想定している買い手(個人か業者か)や、建てられる家の見立てが違うのかもしれません。査定額の根拠として、参考にした取引事例を見せてもらうと納得しやすくなります。
まとめ
- 土地の値段は、不動産情報ライブラリ・路線価・公示地価・固定資産税評価額の4つで自分でも調べられる
- SUUMOなどの相場マップは手軽だが、売り出し価格が中心で個別の条件までは反映していない
- 路線価は公示地価の8割、固定資産税評価額は7割程度が目安とされる
- 狭小地・旗竿地は、総額が手ごろで坪単価が高く出る場合と、建てにくさで低く出る場合がある
- 坪単価ではなく、似た広さ・似た条件の取引の総額で比べる
- 最終的な値段は、査定で個別の条件を反映して判断する
自分で調べた値段と、業者の買取価格の目安を比べてみたい方は、お気軽にご相談ください。相談先に迷ったら、金額を知りたいときの相談先(不動産会社・買取業者)で、内容別の窓口を整理しています。


