地域別ガイド

世田谷区の土地・狭小地の売却ガイド|解体助成の期限と調べる順番

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世田谷区で、相続した古い家のある土地や、小さな土地を売りたい。そう考えたとき、まず気になるのは「家を壊してから売るのか、そのまま売るのか」ではないでしょうか。

世田谷区には、期限が近づいている解体の助成があります。そのほかにも、細い道、土地を分けるときの面積の決まり、緑を守る決まりなど、売る前に区へ聞いておきたいことがあります。この記事では、区の公式ページで確かめた内容を、調べる順番に並べました。

結論
不燃化特区の「区役所周辺地区」にある古い家は、解体費の助成(除却助成)の申請が令和8年10月30日(金)までです。2026年10月13日時点の案内なので、延長や変更がないか、申請の前に区の担当課で必ず確かめてください。
解体の助成は、工事を始める前に申請して認定を受けることが条件です。使うかどうかは、家を壊す前に決めてください。

令和8年10月30日(金)区役所周辺地区の除却助成の申請期限(2026年10月13日時点の区の案内。延長や変更があるので、申請の前に区の担当課で必ず確かめてください)

世田谷区で土地を売るとき、先に確かめること

世田谷区の土地を売る前は、「助成の期限」「前の道路」「土地の面積の決まり」「風致地区かどうか」の4つを、この順に確かめます。期限があるのは最初の1つだけなので、最優先です。

売る前の確認は、次の順番が楽です。

世田谷区で古家付きの土地を売る前の確認の順番

  1. 不燃化特区かどうか区のページで地区を見て、該当するなら期限を最初に確かめる
  2. 前の道路の幅幅が4m未満の道なら、建て替えるときに土地を後ろへ下げる必要がある
  3. 土地の面積土地を分けて売るなら、区の「敷地面積の最低限度」を確かめる
  4. 風致地区かどうか多摩川沿いの一部の地区では、木を切るにも区長の許可が要る

世田谷区は広く、鉄道も街の雰囲気も場所でかなり違います。ですから、相場は区全体の平均ではなく、近い場所・近い広さ・近い道路条件の取引で調べます。調べ方は土地の値段・相場の調べ方にまとめています。

解体の助成:区役所周辺地区は令和8年10月30日が申請期限

不燃化特区の「区役所周辺地区」では、解体費の助成(除却助成)の申請を令和8年10月30日(金)まで受け付けています。この地区は、令和8年度で各種助成が終わります。売る前に家を壊すつもりなら、ここが一番の山場です。なお、お隣の目黒区のように、除却助成が「建て替え後も住み続ける人」向けで、売る人は条件に当てはまらない区もあります。調べ方は目黒区の土地の売却ガイドにまとめました。

区のページ(2026年10月1日更新)には、次のように書かれています。

  • 区役所周辺地区の除却助成は、令和8年10月30日(金曜日)まで申請を受け付けている
  • 区役所周辺地区の建替え助成は、申請の受付が終わっている
  • 区役所周辺地区は、令和7年度末に不燃領域率70%に到達したため、令和8年度で各種助成を終了する
  • 今後申請する物件の完了報告書の提出期限は、令和9年2月26日(金曜日)

ことばの解説:不燃化特区

火事が広がりやすい古い木造住宅の地域で、燃えにくい街に変えるために、東京都が指定した地区のことです。指定された地区では、古い建物を壊すときや建て替えるときに、区が費用の一部を助成します。

ことばの解説:不燃領域率

地域の中で、燃えにくい建物や道路・公園が占める割合です。区役所周辺地区は、これが70%に届いたため、助成が終わる形になっています。

申請の前に知っておきたいこと

区のページには、申請の条件として次のことが書かれています。

  • 対象は、耐用年数の3分の2を過ぎた木造または軽量鉄骨造の古い建物
  • 工事を始める前に申請して、認定を受ける(工事の着手日の15日前まで。土日・祝日は数えない)
  • 申請する人と土地・建物の持ち主が違うときは、持ち主の承諾書が要る
  • 申請の前に、対象地区を受け持つ街づくり課へ相談する
  • 助成は年度ごとの予算が上限で、希望に添えない場合がある

区のページに出ている日付と条件を並べると、次のようになります。

区のページにある日付と条件

  • 申請の受付:令和8年10月30日(金)まで
  • 工事の着手:着手日の15日前(土日・祝日を除く)までに申請し、着手の前に認定を受ける
  • 完了報告書の提出:令和9年2月26日(金)まで

申請から認定までに何日かかるかは、区のページに書かれていません。解体業者の工程を決める前に、着手の日と、2月26日の完了報告に間に合うかを窓口で聞いてください。相続したばかりで売却の方針が決まっていない方も、助成を使う可能性があるなら、先に区へ電話で地番を伝えて相談するのが現実的です。

ここに注意

区のページでは、工事を始める前の申請と認定が条件です。業者に解体を頼む前に、区の認定を受けられるかを確かめてください。期限は動くことがあります。この記事の内容は2026年10月13日時点のものです。

助成の金額や上限は、区のページ本文には書かれていませんでした。区の不燃化特区パンフレットで案内されているので、金額はこの記事では書きません。窓口で、ご自分の建物の場合の額を聞いてください。

売却前提の方が使えるかどうかも、区のページには書かれていません。売るつもりであることを最初に伝えて、使えるかどうかを聞いてください。助成の考え方は、東京の解体助成金が区ごとにどう違うかにも載せています。

ほかの不燃化特区3地区は、いつまで助成があるか

太子堂・若林、北沢三・四丁目、北沢五丁目・大原一丁目の3地区は、最長で令和12年度まで助成が続く予定です。申請は随時受け付けています。区役所周辺地区のように、今年度中に終わる形ではありません。

地区 除却助成 建替え助成 助成の終わり
区役所周辺 令和8年10月30日まで申請 受付終了 令和8年度で終了
太子堂・若林 随時受付 随時受付 最長で令和12年度まで
北沢三・四丁目 随時受付 随時受付 最長で令和12年度まで
北沢五丁目・大原一丁目 随時受付 随時受付 最長で令和12年度まで

2026年10月1日更新の区のページによる。「最長で令和12年度まで」でも、不燃領域率70%に届いたと区が発表した年度で、その地区の助成は終わります。

太子堂・三宿地区は、令和7年度で制度が終了していると、区のページに書かれています。

区役所周辺地区は、世田谷・宮坂・若林・赤堤・梅丘・豪徳寺・松原の一部にまたがっています。町丁目の一部だけが対象のこともあるので、自分の土地が入っているかは、番地を伝えて区に聞いてください。不燃化特区の仕組みそのものは、木密地域・不燃化特区の土地を売るときのポイントで説明しています。



東京23区の解体助成金・補助金まとめ|老朽建築物の除却助成と申請のタイミング

狭あい道路:前の道が4m未満のとき

家を建てる土地は、幅4m以上の道路に面している必要があります。世田谷区では、幅4m未満の細い道(狭あい道路)に面した土地で建て替えるとき、土地の一部を道路として空けることになります。2項道路なら、道路の中心から2mの位置までです。事前に区と協議します。

区の「狭あい道路拡幅整備事業」のページ(2026年5月27日更新)では、対象を「幅員4メートル未満の一般交通用の道」とし、2項道路と、指定幅員が4mの位置指定道路のうち現況の幅が4m未満のものが当たると説明しています。

今の道路(幅3m)道路の中心線セットバック部分家を建てられる部分中心線から2m下がる向かいの土地
セットバック:幅4m未満の道路(2項道路)では、中心線から2mの位置まで敷地を下げる必要があります。

下がった部分の整備は、4つの形から選ぶ

下がった部分をどうするかは、道路の種類によって選べる形が決まっています。

整備の形 道路の種類 工事 工事後の管理 土地の持ち主
無償使用承諾 区道・区管理道路 区 区 変わらない
寄附 区道・区管理道路 区 区 区に移す(分筆が必要)
整備等承諾 私道 区 建築主など 変わらない
自主整備 区道・区管理道路・私道 建築主など 建築主など 変わらない

区のページ(2026年5月27日更新)と、区の建築ガイドの整理による。

私道に面しているときは、私道の所有者全員の承諾書がそろわないと、区は拡幅の工事をしません。区のページに、そう書かれています。誰の承諾が要るかは、建築安全課の担当に聞くよう案内されています。私道が複数の人の持ち物(共有)のときは、全員分の承諾書が必要になります。私道の持分の話は、私道持分なしの土地を売るときで詳しく説明しています。

寄附の場合は、土地を分ける登記(分筆)が必要で、そのために境界を確定させます。境界の確定にかかる費用は建築主などの負担と、区の建築ガイドに書かれています。

事前の協議書は、建築確認の申請などの30日前までに出します。古家付きのまま売るなら、買主が建て替えるときに必要になる手続きです。後退する部分に塀などがある場合の撤去費用には、助成金の制度もあると、区のページに書かれています。売る側は、前の道路の種類を役所で聞き、買主に伝えられるようにしておくと話が早く進みます。

道路中心線や後退線の考え方は、区の窓口で案内していて、電話では案内していません。地図と書類を持って、建築安全課の窓口で聞く形になります。



セットバックが必要な土地の売却|2項道路の後退距離と価格への影響

敷地面積の最低限度:土地を分けて売るときの決まり

世田谷区の住居系用途地域と準工業地域では、土地を分けて売るとき、分けた後の1区画が一定の面積を下回ってはいけません。この面積は、都市計画で決まっている建ぺい率(敷地のうち建物を建てられる割合)に応じて変わります。

区の建築ガイド(令和8年4月版)には、次のように載っています。

建ぺい率 対象の地域 最低限度の面積
40% 住居系用途地域 100㎡
50% 住居系用途地域 80㎡
60% 第一種・第二種低層住居専用地域 70㎡
60% 中高層住居専用・住居・準住居・準工業の各地域 環状7号線の西側(外側)70㎡、東側(内側)60㎡

区の建築ガイド「敷地面積の最低限度の制限」による。地区計画などで、別の面積が決まっている地区もあります。

例えば、建ぺい率が40%の地域にある170㎡の土地を2つに分けて売るなら、片方を100㎡未満にすることはできません。仮の数字ですが、85㎡と85㎡には分けられない、ということです。

ポイント

この決まりが定められた時点で、すでに最低限度に満たなかった土地は、新たに分けない限り、建物の新築や建て替えができると区の資料に書かれています。その土地全体を使うことが前提です。基準になる日は、低層住居専用地域が平成16年6月24日、それ以外の対象地域が平成31年4月1日です。「今の土地のまま売る」なら、面積が小さくても建て替えられる場合があります。ただし、基準日より前から今の形だったことを、書類で示す必要があります。

地区計画で別の面積が決められている地区もあるため、その場合は街づくり課へ確認するよう、区の資料に書かれています。ご自分の土地の建ぺい率と用途地域は、区の都市計画情報(せたがやiMap)で見られます。担当は、都市整備政策部の建築審査課です。

土地を分けるとき、小さい区画がどう評価されるかは、10坪・15坪の土地は売れる?で説明しています。

風致地区:多摩川沿いでは木を切るにも許可が要る

世田谷区の南側、国分寺崖線から多摩川までの一帯は「多摩川風致地区」です。風致地区では、木や竹を切るときと、建物を建てるときに、区長の許可が必要です。解体が許可の対象に入るかどうかは、区のページに書かれていません。

区のページ(東京都風致地区条例)に出ている対象の町は、次のとおりです。

  • 玉川総合支所の管内:奥沢、尾山台、上野毛、瀬田、玉川、玉川田園調布、玉堤、等々力、中町、野毛
  • 砧総合支所の管内:宇奈根、大蔵、岡本、鎌田、喜多見、砧、成城

許可が必要な行為として、区のページには、土地の形を変える工事(盛土・切土など)、木や竹の切り取り、建物や工作物の新築・改築・増築・移転などが載っています。建てる建物の大きさにも決まりがあり、建ぺい率の上限は第一種が20%、第二種が40%です。

売る側にとって大事なのは、庭木をまとめて切ってから売る、という判断をする前に、区へ聞くことです。きれいにして売ろうと庭の木を切ったあとで、許可が必要だったと分かる、という順番は避けたいところです。

許可が必要な行為の一覧には「その他」もあり、区のページにも「建築以外の行為の許可の基準等は、お問い合わせください」とあります。解体や庭の工事を考えているなら、先に担当課へ聞いてください。窓口は、玉川総合支所と砧総合支所の街づくり課です。

どこに聞くか:区の担当課の一覧

世田谷区では、聞きたい内容ごとに窓口が分かれています。先に何を聞くかを決めて、地番と地図を手元に置いてから連絡すると、話が早く進みます。

聞きたいこと 窓口
不燃化特区の助成 地区を受け持つ総合支所の街づくり課(世田谷総合支所・北沢総合支所。区役所周辺地区は、町丁目によって窓口が分かれます)
狭あい道路の協議 建築安全課 建築線・狭あい道路整備担当(二子玉川分庁舎)
敷地面積の最低限度 建築審査課
風致地区の許可 玉川総合支所・砧総合支所の街づくり課

区に聞く前に手元に置くもの

  • 土地の地番(住所とは別の番号。固定資産税の通知書や登記事項証明書で分かります)
  • 建物の登記事項証明書か、固定資産税の通知書
  • 地図に、前の道路と土地の位置を書いたもの
  • 「売ることを考えている」と伝える一言(使えるかどうかを窓口で確かめるため)

担当課の電話番号は、区のページで変わることがあります。ここには書かず、区の公式サイトで最新のものを確かめてください。

世田谷区の古家付きの土地を、仲介と買取のどちらで売るか迷っている場合は、売却の進め方を整理するところからご相談いただけます。

世田谷区の土地がいくらくらいで売れそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、相場の幅がつかめます。助成を使うかどうかを決める前に、解体した場合としない場合の両方で見てもらう手もあります。

よくある質問

Q. 区役所周辺地区の解体助成は、10月30日までに申請すれば間に合いますか?

区のページでは、令和8年10月30日(金曜日)まで申請を受け付けています。ただし、工事の着手日の15日前(土日・祝日を除く)までに申請して認定を受けることが条件で、完了報告書の提出期限は令和9年2月26日です。助成は年度ごとの予算が上限です。申請から認定までの日数は区のページに書かれていないので、着手の予定日と合わせて、すぐ担当課に確認してください。この記事は2026年10月13日時点の案内です。延長や変更があるかも、あわせて聞いてください。

Q. 解体してから申請しても、助成は受けられますか?

区のページでは、工事を始める前に申請して認定を受けることが条件とされています。すでに壊した建物が対象になるかは、ページに書かれていません。壊す前に、区に相談してください。

Q. 狭あい道路に面している土地は、売れませんか?

売れないわけではありません。建て替えるときに、土地の一部を下げて道路として空ける手続きが要る、というだけです。前の道路の種類と、下がる幅を先に調べておくと、買主への説明がしやすくなります。私道の場合は、所有者全員の承諾が要る点に注意してください。

Q. 土地を2つに分けて売りたいのですが、小さくなってもよいですか?

世田谷区の住居系用途地域と準工業地域では、建ぺい率に応じて、分けた後の面積の最低限度が決まっています。建ぺい率40%なら100㎡、50%なら80㎡などです。地区計画で別の面積が決まっている地区もあります。分ける前に、区の建築審査課と街づくり課で確かめてください。

Q. 庭の木を切ってから売っても大丈夫ですか?

風致地区にある土地では、木や竹を切るのに区長の許可が必要です。風致地区かどうかは、玉川総合支所・砧総合支所の街づくり課に聞いてください。風致地区以外でも、地上1.5mの高さの幹周りが80cm以上、または高さ10m以上の樹木を切るときは、区のみどりの基本条例にもとづく届出が必要です。

まとめ

  • 不燃化特区の区役所周辺地区は、除却助成の申請が令和8年10月30日(金)まで。2026年10月13日時点の案内なので、延長や変更があるか、区で確かめる
  • 解体の助成は、壊す前に申請して認定を受ける。着手の15日前までの申請が必要
  • 太子堂・若林、北沢三・四丁目、北沢五丁目・大原一丁目は、最長で令和12年度まで助成が続く予定
  • 幅4m未満の道に面した土地は、区と事前協議をする。私道は所有者全員の承諾が要る
  • 土地を分けて売るなら、建ぺい率に応じた面積の最低限度を確かめる。風致地区では、庭木を切る前に区へ聞く

出典:世田谷区「建物の不燃化に向けた助成制度のご案内【不燃化特区制度】」(2026年10月1日更新)、同「不燃化特区の助成制度をご利用ください」(世田谷総合支所・北沢総合支所のページ)、同「狭あい道路拡幅整備事業について」「狭あい道路拡幅整備工事について」(2026年5月27日更新)、同「東京都風致地区条例」(2026年5月29日更新)、同「樹木の伐採届について」(2024年10月7日更新)、世田谷区「建築ガイド」(令和8年4月版)、同「世田谷区における建築基準法等の取扱いについて(よくある質問)」(2025年12月)。確認日はいずれも2026年10月13日。

この記事の監修者:十坪とつぼさん(宅地建物取引士)
東京23区で土地の仕入れ営業を担当する宅地建物取引士。狭小地・旗竿地・古家付き土地など、小さくて売りにくい土地を日々見ている。

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