地域別ガイド

荒川区の土地・狭小地の売却ガイド|相場の調べ方と売れやすい条件

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荒川区で、親から受け継いだ古い家や、路地に面した小さな土地を売りたい。「こんなに狭い土地でも買い手はいるのか」「建て替えできない土地だと言われた」。そんな不安を抱える方は多いと思います。

でも、狭い土地や路地の奥の土地にも、売り方はあります。この記事では、荒川区の土地・狭小地を売る前に、ご自身で調べられることを整理しました。まず確認したい接道の話から、相場、区の不燃化特区の助成まで順に見ていきます。役所で何を聞けばよいかも書きました。

結論
荒川区は小さな敷地と細い道路が多く、相場よりも先に「接道」と「建て替えできるか」の確認が大切です。
荒川区には不燃化特区の除却助成があります。自分の土地が特区に入るかを先に調べ、助成額は区に確認しましょう(この記事では金額を確かめられていません)。

荒川区で狭小地・古家付き土地が多い背景

荒川区は、古くからの木造住宅が密集した下町の区です。10〜15坪ほどの土地や、路地の奥にある土地がたくさんあります。だからこそ、最初に確かめるべきは「道路との接し方」です。

荒川区は、隅田川に沿った区です。多くは平らな低地で、古くからの住宅と町工場、商店が混ざり合った街並みが残っています。町工場の跡地を売るなら、工場跡地の売却と土壌汚染の調査が要る場合も読んでおくと安心です。

鉄道は、主に次の路線が通っています。

  • JR山手線・京浜東北線(日暮里・西日暮里)
  • JR常磐線(三河島・南千住)
  • 東京メトロ千代田線(西日暮里・町屋)、日比谷線(南千住)
  • 京成本線(日暮里・新三河島・町屋)
  • 都電荒川線(東京さくらトラム)
  • 日暮里・舎人ライナー、つくばエクスプレス(南千住)

古くからの住宅地では、次のような土地が多く見られます。

  • 10〜15坪ほどの小さな土地
  • 幅4m未満の道路(2項道路)や、路地の奥にある土地
  • 建築基準法上の道路に接しておらず、建て替えが難しい土地
2m以上家を建て替えるには、敷地が建築基準法上の道路にこの長さ以上接している必要があります(接道義務)
道路隣の家隣の家隣の家道路に接していない土地(袋地)道路まで出られない
再建築不可の例:道路に接していない、または接していても2m未満の土地は、原則として建て替えができません。

荒川区の土地の相場を調べる方法

相場は、国が公開している3つのデータを組み合わせて調べます。荒川区では、面積だけでなく接道の条件が近い事例と比べることが肝心です。同じ10坪でも、建て替えできるかどうかで値段がまったく違うからです。

  1. 国土交通省「不動産情報ライブラリ」:実際の取引価格を、地区・面積・時期で絞り込めます。
  2. 路線価(国税庁):道路ごとの評価額です。路地に面した土地は、路線価が付いていないこともあります。
  3. 公示地価(国土交通省):標準的な土地の価格です。

不動産情報ライブラリの事例には、前面道路の幅が載っていることがあります。自分の土地と道路の幅が近いものを選ぶと、実際の価格感に近づきます。

狭小地は、条件の違う事例をうっかり比べてしまいがちです。数字の読み方は狭小地ならではの相場の見方で解説しています。

荒川区の相場を、不動産情報ライブラリで自分で出す手順

エリア別の目安表を載せているサイトは多いのですが、その数字があなたの土地に当てはまるとは限りません。荒川区は同じ区内でも場所による差が大きく、さらに狭小地は広い土地と坪単価の出方が違います。平均を見るより、自分の土地に近い条件の取引を5件見るほうが正確です。

10分あればできます。

自分の土地の相場を出す4ステップ

  1. 不動産情報ライブラリを開く国土交通省のサイト。「不動産価格(取引価格・成約価格)情報」を選ぶ
  2. 条件を絞る種類「宅地(土地)」、地域「東京都 荒川区」、期間は直近4四半期
  3. 面積で絞り込むここが肝心です。自分の土地と近い面積(100㎡以下の土地なら100㎡以下)に絞る。広い土地を混ぜると㎡単価が実態とずれます
  4. 最寄り駅の地区で5件ほど並べる㎡単価を出して、真ん中あたりの値を自分の土地の面積に掛ける

荒川区で見るエリアは、次のように分けると整理しやすくなります。尾久は荒川区の地名で、JRの尾久駅は隣の北区にあります。

  • 日暮里・西日暮里駅周辺
  • 町屋駅周辺
  • 三河島駅周辺
  • 南千住駅周辺
  • 都電荒川線沿線(西尾久・東尾久など)

この手順で出した数字の読み方

  • 幅で見る。1点の数字ではなく「㎡あたり◯万〜◯万」と幅でつかむ
  • 接道・形で動く。同じエリアでも、幅4m未満の道路に面していたり旗竿地だったりすると、この幅の下のほうになります
  • 売り出し価格ではない。ライブラリに出るのは実際に成約した価格です。ポータルサイトの売り出し価格より低く出ます

公示地価も同じサイトの「地価公示・都道府県地価調査」で見られます。こちらは毎年1月1日時点の標準的な価格なので、年ごとに上がっているか下がっているかを見るのに向いています。

用途地域・建ぺい率・防火規制の調べ方

荒川区の土地で確認したいのは、用途地域と防火のルール、そして道路の種類です。道路に接していない土地でも、43条2項の認定・許可で建て替えできる場合があります。あきらめる前に、区役所で確認しましょう。

  • 用途地域・建ぺい率・容積率:住宅地のほか、準工業地域や商業系の地域もあります。
  • 防火地域・準防火地域:駅周辺などでは防火地域の場合もあり、建築費に影響します。
  • 新たな防火規制:東京都建築安全条例による、木造住宅密集地域向けの規制です。対象区域では、原則として準耐火建築物以上が求められます。
  • 道路の種類:建築基準法上の道路か、2項道路か、道路でない通路か。
  • 敷地面積の最低限度:土地をこれより小さく分けてはいけない、という面積のルール。土地を分けて売れるかどうかに関わる

ネットでは、区のホームページで「荒川区 都市計画図」「荒川区 用途地域」と検索すると、閲覧方法が分かります。東京都が提供している地図サービスでも確認できる場合があります。

道路の種類は、区の建築の窓口で聞くのが確実です。地番が分かる書類(固定資産税の納税通知書など)を持っていき、「前の道は建築基準法上の道路ですか」と尋ねてみてください。

ことばの解説:43条2項の認定・許可

建築基準法上の道路に接していない土地でも、周囲に広い空地があるなど、一定の条件を満たせば建築を認める制度です。昔は「ただし書き」と呼ばれていました。

制度の中身と売り方は、43条2項の物件を売るときのポイントで詳しく解説しています。



43条2項とは?旧ただし書きとの違いと売却のポイント

敷地面積の最低限度と、10坪台の土地で気をつけたいこと

ことばの解説:敷地面積の最低限度

「土地をこれより小さく分けてはいけない」という面積のルールです。用途地域に関する都市計画や、地区計画で定められることがあります。

荒川区は古くからの住宅地で、敷地が細かく分かれている場所があります。最低限度そのものが定められていない地域もありますので、まず指定があるかどうかから確かめてください。指定がある地域なら、10〜15坪ほどの土地は、その面積に近いか、すでに下回っていることもあります。自分の土地がどうかは、都市計画図と区の窓口で確かめてください。

指定された時点より前からある敷地には、例外的な扱いがあるのが一般的です。ただし、その敷地を分筆(土地を分ける登記)すると、例外が外れて建てられなくなることがあります。細かい敷地では、分けるより隣り合う小さな敷地をまとめて1区画にする考え方もあります。手持ちの土地がやや広く、分けて売れないかを考えている場合は、まずこの数字を確認してください。

土地を分けて売れるかを確かめる手順

  1. 都市計画図で数字を確認する「荒川区 都市計画図」「荒川区 用途地域」で検索し、敷地面積の最低限度の欄を見る
  2. 地区計画の有無を窓口で聞く地区計画があると、さらに細かいルールが加わることがある
  3. 分けた後の接道を確認する分けたそれぞれの土地が、道路に2m以上接するかを区の建築担当で聞く
  4. 分けて売る案と、そのまま売る案を比べる建売業者・買取業者など、それぞれの見込み額を比べてみる

監修者の話:小さな土地は、隣と合わせて何が建つかで見る

監修者の話を、編集部がまとめたものです。小さな土地を見るとき、最初に考えるのは「分けられるか」より「隣と合わせれば何が建つか」だそうです。敷地が小さいと、分割よりも隣の土地との合算のほうが話が進みやすいから、と話しています。

どのくらいの広さから「小さい」と見るかは、編集部で確かめていないため、この記事では書いていません。

荒川区で売れやすい土地・売れにくい土地

売れやすいのは、道路に2m以上接し、準耐火の木造3階建てが入る土地です。建て替えが難しい土地でも、隣の家が買えば価値が上がることがあります。表で、自分の土地の位置を確かめてみてください。

条件 売れやすい 売れにくい
接道 建築基準法上の道路に2m以上接する 接道2m未満、道路でない路地のみ
道路の幅 幅4m以上 2項道路でセットバック後の面積が小さい
建てられる家 木造3階建て(準耐火)が入る 間口が狭く、3階建てでも床面積が不足
工事のしやすさ 車や重機が入れる 路地の奥で手作業の解体が必要
権利 境界確定済み、越境なし 隣家と壁が接している、越境あり

路地の奥の土地は、手作業での解体が必要になり、解体費が高くなりやすい点も価格に響きます。隣地の所有者への売却や買取業者など、売り先の選び方は再建築不可の土地の売り方にまとめました。

同じように路地の多い北区の土地・狭小地の売却ガイドも、比べて読むと理解が深まります。足立区で土地を売るときの調べ方もどうぞ。

荒川区の路地に面した土地が建て替えできるかを、役所でどう調べればよいか分からない場合は、無料で調査の手順をお伝えします。

荒川区の制度で確認すべきもの:不燃化特区整備促進事業

荒川区には「荒川区不燃化特区整備促進事業」があり、老朽木造建築物の除却(解体)への助成が用意されています。区の案内では、対象は荒川・南千住地区、町屋・尾久地区の不燃化特区の中にあり、耐用年数の3分の2を超えた住宅などとされています(2026年度時点の情報)。ただし助成額はこの記事では確かめられていません。いくら出るかは、区に確認してください。

自分の土地が対象になりうるかは、先に絞り込めます。条件は2つです。

条件 中身 自分で調べる手がかり
場所 荒川・南千住地区、町屋・尾久地区の特区内 区の不燃化特区のページで地区を見る。地番を伝えて区に聞く
建物 耐用年数の3分の2を超えた住宅など 登記の建築年月日、構造(木造かどうか)

「特区内」かどうかが、最初の分かれ目

ことばの解説:不燃化特区

木造の古い建物が多く、火事が広がりやすい地区について、建物を燃えにくいものに建て替えることを、区や都が後押しする地区です。特区に入っているかどうかで、使える助成が変わります。

区内のどこでも使える制度ではありません。荒川区の場合、区の案内に挙がっている地区は上の2組です。町名だけでは、指定の内か外かが分からないことがあります。町名だけで判断せず、地番を伝えて区に聞くのが確実です。用途地域や道路の種類を窓口で聞くときに、あわせて特区かどうかを聞いてしまえば二度手間になりません。

「耐用年数の3分の2」が何年かは、区に確かめる

耐用年数は、建物の種類ごとに決まっている年数です。構造や用途で変わります。どの年数を使うのかも、この記事では確かめられていません。そのため、築何年から対象になるのかは書けません。自分で年数を計算せず、建物の登記の建築年月日と構造を伝えて、区の窓口で確かめてください。

使うなら、解体業者と契約する前に区へ

ここに注意

  • 先に解体業者と契約したり、工事を始めたりすると、対象外になることが多いようです。契約の前に相談してください
  • 助成金は、工事が終わってからの支払いが一般的です。荒川区の支払いの時期や方法は、申請の前に区の窓口で確認してください。確認できるまでは、解体費用をいったん自分で立て替える前提で考えておくと安心です
  • 更地にすると、固定資産税の「住宅用地の特例」がなくなります。助成で解体費が軽くなっても、翌年からの税が上がることがあります。区と都税事務所で確認してから決めましょう

助成の対象になっても、壊すのが正解とは限りません。古家付きのまま売る道もあります。解体して更地にする場合と、今の状態で売る場合を、手取りで並べて比べましょう。

区ごとの助成の比較と出典は、下のカードの記事にまとめています。



東京23区の解体助成金・補助金まとめ|老朽建築物の除却助成と申請のタイミング

区役所で聞くことのメモ

  • うちの土地(地番を伝える)は、不燃化特区の中か外か
  • 荒川区不燃化特区整備促進事業の、今年度の受付期間と助成額
  • うちの家(登記の建築年月日と構造を伝える)は、対象の建物にあたるか
  • 解体業者と契約する前に、どの書類を出せばよいか
  • 特区に入っている場合、固定資産税・都市計画税の減免(東京都の制度)の対象になるか

不燃化特区の仕組みは、木密地域の土地を売るときの助成制度で全体像をまとめています。



木密地域・不燃化特区とは?古い木造住宅が建つ土地の売り方と助成制度

荒川区の土地がいくらくらいで売れそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、相場の幅がつかめます。

PR敷地が狭いほど、業者による差が出やすい:解体工事比較ナビで、地域の解体業者へ、無料で一括見積もり。

よくある質問

Q. 10坪ほどの土地でも売れますか?

建て替えができる土地なら、建売業者や隣地の所有者が買い手になる可能性があります。まず接道と、建てられる建物の大きさを確認しましょう。

Q. 隣の家と壁がくっついている古家は、解体できますか?

隣家との関係や建物の構造によって、工事方法や費用が変わります。解体業者に現地を見てもらい、隣家への説明も含めて進める必要があります。

Q. 荒川区の解体助成は、いくらまで出ますか?

この記事では金額を確かめられていません。区の案内で分かるのは、荒川区不燃化特区整備促進事業の対象が、荒川・南千住地区、町屋・尾久地区の特区内の、耐用年数の3分の2を超えた住宅などとされていることまで(2026年度時点の情報)。助成額は区に確認するまで分かりません。出典は東京23区の解体助成金・補助金まとめに載せています。

Q. 不燃化特区の助成は、売却前に使ったほうが得ですか?

解体費の負担は減りますが、更地にすると固定資産税の住宅用地の特例がなくなります。都の減免制度の対象になるかも含め、区と都税事務所で確認したうえで比べましょう。

まとめ

  • 荒川区は小さな敷地と細い道路が多く、まず接道と建て替えの可否を確認する
  • 相場は、面積だけでなく接道条件が近い事例で比べる
  • 新たな防火規制や敷地面積の最低限度など、区のルールを事前に確認する
  • 不燃化特区の除却助成は、特区内の古い住宅などが対象とされる。額と対象は工事前に区で確認する
  • 建て替えが難しい土地は、隣地への売却や買取も検討する

荒川区の土地の買取価格の目安を比べたい方や、売却の進め方に迷っている方は、無料でご相談いただけます。

この記事の監修者:十坪とつぼさん(宅地建物取引士)
東京23区で土地の仕入れ営業を担当する宅地建物取引士。狭小地・旗竿地・古家付き土地など、小さくて売りにくい土地を日々見ている。

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