三角地・変形地(不整形地)は売れない?価値の決まり方と買取の選び方
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三角形の土地や、角が欠けた台形の土地を持っていると、「変形地だから売れないのでは」と不安になりますよね。23区の周辺区では、古い道や線路、川に沿って区切られたために、四角くない土地が少なくありません。
たしかに変形地(不整形地)は、同じ広さの四角い土地より安く評価されがちです。ただ、それは「売れない」ということとは違います。形に合わせた準備と売り先の選び方で、ちゃんと買い手は見つかります。この記事では、変形地が売れないと言われる理由、価値の決まり方、狭小地と重なったときの注意点、売る前の準備と売り先の選び方を順に説明します。
結論
変形地(不整形地)は、登記の面積ではなく「建物を置ける部分の広さと形」で評価されるため、四角い土地より低めの査定になりやすいものです。
鋭い角や細長い部分がある土地でも、建築プランを示す、隣地と土地を調整する、分筆や合筆で形を整えるといった工夫で、売却の道は開けます。
狭小地と変形が重なる土地は、隣地の所有者・建売業者・買取業者など、形を評価できる相手を広く比べるのが近道です。
変形地(不整形地)とは?主な形と特徴
変形地は、正方形や長方形ではない土地のことです。不動産業界では「不整形地」とも呼びます。三角地・台形地・L字型の土地・旗竿地などが当てはまります。どんな形でも、使いにくい部分がどこにあるかが評価の出発点になります。
| 形 | 使いにくい部分 | 評価で見られる点 |
|---|---|---|
| 三角地 | 鋭い角の部分に建物を置けない | 角を除いた部分に、四角い建物がどれだけ入るか |
| 台形地 | 斜めの辺に沿った部分がデッドスペースになる | 間口と奥行きのバランス |
| L字型 | 曲がった部分の使い方が難しい | 2つの四角に分けて使えるか |
| 間口が狭く奥に長い | 採光や通風がとりにくい | 建物の奥行きと隣家との距離 |
| 旗竿地 | 通路部分に建物を置けない | 通路の幅と長さ、旗部分の広さ |
旗竿地には、通路の幅についての独自のルールがあります。そちらは旗竿地が売れるかどうかの分かれ目で説明しています。
変形地が「売れない」と言われる理由
変形地が敬遠されるのは、同じ登記面積でも実際に使える広さが狭くなるからです。理由は主に3つあります。
1つ目は、有効に使える面積が減ることです。
こと
土地のうち、家や駐車場として実際に使える部分の広さのことです。鋭い角や細長い部分は、ここに入りにくくなります。
住宅の多くは、四角い形で設計されます。鋭い角のような部分には、家がうまく入りません。登記の面積が同じ60㎡でも、長方形の土地と三角形の土地では、建てられる家の広さが変わってきます。
2つ目は、建物の配置が制約されることです。
道路斜線・北側斜線・高度地区といった高さの制限は、敷地の辺からの距離で決まります。変形地では斜めの辺からの制限で建物の形が複雑になりがちで、3階部分が小さくなることもあります。間取りも四角い部屋を並べにくく、廊下や収納で無駄が出やすくなります。
3つ目は、駐車場が取りにくいことです。
四角い土地なら車1台分をきれいに確保できても、三角形の角や台形の斜辺沿いでは、車の幅と長さがぴったり収まりません。23区の周辺区では駐車場の有無が住みやすさを左右するため、車を置けない・置きにくい変形地は買い手の幅が狭まります。
変形地の価値の決まり方|「整形部分」で見る考え方
値段を決めるのは、四角い家を置ける部分(整形部分)の広さです。計算上いくら大きな家が建てられても、形のせいで上限まで使えなければ、その分は評価されません。
建ぺい率は敷地面積に対して建物を建てられる割合、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合です。どちらも敷地全体の面積で計算しますが、形の制約で上限まで使えないことはよくあります。仮の数字で考えてみましょう。
面積60㎡、建ぺい率60%の土地なら、計算上の建築面積の上限は36㎡です。
同じ60㎡でも、形で入る家が変わる(仮の数字)
長方形の土地
- ほぼ上限の36㎡どおりの家が入る
三角形の土地
- 四角い家を置ける部分が25㎡しか取れない場合
- 3階建てでも延べ床面積は75㎡前後
三角形の土地では、四角い家を置くと角が余ります。上限の36㎡は使い切れません。価値は「計算上の上限」ではなく「実際に入る家」で判断される、というのがここでのポイントです。
買い
建売業者の仕入れ担当が変形地を見るときは、まず頭の中に四角い建物の枠を置いてみます。その枠が土地のどこにいくつ収まるかで、建てられる家の数と大きさが決まるからです。角地の余りが大きい土地ほど、仕入れ値の交渉では「使えない部分」として扱われやすくなります。
用途地域や高度地区は、区の都市計画図で確かめられます。区役所の都市計画の担当課の窓口で見られるほか、東京都都市整備局の「都市計画情報等インターネット提供サービス」や、各区が公開している地図サービスでも確認できます(公開の形は区によって違うため、確実なのは区役所の都市計画の担当課に地番を伝えて聞くことです)。
狭小地と変形が重なるとどうなるか
23区の周辺区では、狭小地と変形地が重なった土地も珍しくありません。線路沿いや古い区画整理の名残で、10坪台の三角地・台形地が生まれやすいためです。
狭いうえに形も悪いと、整形部分がさらに小さくなります。建ぺい率・容積率の計算上は3階建てが建てられても、実際に置ける建物はワンルームに近い大きさしか取れない、ということも起こります。10坪・15坪クラスの土地に建つ家の目安は、10坪・15坪の土地に建つ家と売り方で計算例を出しています。
古家が残っている場合は、解体費用も検討材料になります。木造の解体費用は、建物の広さや構造で決まります。狭小地では重機が入りにくく、高くなることもあります。金額はこの記事では書いていません。古家をどうするか迷ったら、査定の場で解体の要否ごとの金額を聞いてみるとよいでしょう。
変形地と狭小地が重なった土地をどう売るか、一人で判断がつかないこともあると思います。売り方の候補を整理したい場合は、状況をうかがいながら一緒に考えます。
査定で差がつく理由
変形地は、査定する会社によって価格に差が出やすい土地です。会社ごとに「どんな家が入るか」の想定が違うからです。
整形地の相場に一定の割合をかけて、機械的に下げる会社があります。一方で、家の配置を具体的に考えて、使える部分を評価する会社もあります。土地の実力が値段に表れやすいのは後者です。査定のときは「どんな家が入る前提の金額ですか」と聞いてみてください。査定で見られる点は査定額に差が出る7つのポイントで解説しています。
ここに
相続税の計算には「不整形地補正」という減額の仕組みがあります。ただし、これは税金の評価のためのもので、実際の売却価格とは別物です。税金の評価額で売値を判断しないようにしましょう。個別の評価は税理士に確認してください。
売る前にできる準備
効果が大きいのは、建築プランを入れて「何が建つか」を見せることです。あわせて、正確な形を測量で押さえておくと、話が具体的になります。
売る
- 地積測量図や境界確認書が残っているか確認する
- 建築士や建売業者に、建物の配置と大きさを入れてもらう
- 隣地との境界・越境の有無を確かめる
- 隣地と土地を調整する余地があるか、簡単でよいので考えてみる
1. 測量図で正確な形を確認する
変形地では、角の位置が少しずれるだけで家の配置が変わります。地積測量図は法務局で取れます。図がない、または古い場合は、測量を考えましょう。境界の確かめ方は境界がはっきりしない土地の測量の進め方、確定測量の費用の決まり方は確定測量の費用は何で決まる?にまとめています。費用は、隣地の数と、官民の境界確定が要るかどうかで決まります。金額はこの記事では書いていません。
2. 建築プランを入れてみる
建築士や建売業者に、家の配置と大きさを考えてもらう方法があります。「3階建てで延べ床面積が約○㎡の家が入る」と示せれば、買い手は暮らしのイメージを持ちやすくなります。
ポイント
プランは約束ではありません。売り出しの資料に使うときは、「参考プラン」であることをはっきり書いておきましょう。
3. 隣地との調整、分筆・合筆で形を整える
隣の土地と一部を交換したり、隣の一部を買って合筆(がっぴつ)し、四角い形にまとめたりすると、価値が上がることがあります。反対に、使いにくい部分だけを分筆して隣地の人に譲る方法もあります。どちらも隣地の所有者の協力が前提になるため、話を持ちかけるタイミングと進め方は慎重に考えましょう。
売却先の選び方
形を活かせる相手に売るのが基本です。隣地の所有者と建売業者は、変形地を前向きに評価してくれることがあります。
- 隣地の所有者:土地を合わせて形が良くなる場合に有力です。隣地に売ると、隣の土地の形が整うため、高く評価されやすいこともあります。
- 建売業者:プランが入る土地なら、形が悪くても買う判断をすることがあります。業者の見方は建売業者に土地を売るときの考え方で解説しています。
- 注文住宅を建てたい個人:設計の工夫で変形地を活かしたい人に向いています。
- 買取業者:早く手放したい、古家があるといった場合の選択肢です。仲介との違いは狭小地の買取とは?で解説しています。
相場を調べるときは、近所の四角い土地の単価をそのまま当てはめないことが大切です。調べ方は狭小地の相場を調べるときの注意点を参考にしてください。
三角地や変形地にどんな家が入りそうか、業者の見積もりをどう比べるかで迷ったら、比べ方から一緒に考えます。
三角地や変形地の相場がいくらくらいになりそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、目安がつかめます。
よくある質問
Q. 変形地は本当に売れないのですか?
売れないわけではありません。同じ広さの整形地より査定は低めになりやすいものの、建築プランを示す、隣地と調整する、買い手の層を広げるといった工夫で、買い手は見つかります。
Q. 三角地は家が建てられないのですか?
多くの場合、建てられます。ただ、鋭い角は使いにくいので、面積のわりに家は小さくなります。建築プランを入れて確かめるのが確実です。
Q. 変形地はどのくらい安くなりますか?
一律の割合はありません。形・面積・道路の状況・周りの需要で大きく変わります。何社かに査定を頼み、評価の根拠を聞いて比べましょう。
Q. 分筆して形を整えてから売ったほうがよいですか?
分筆すると、それぞれの土地が小さくなりすぎることがあります。分けた後にそれぞれ家が建つかを確かめてから考えてください。費用と手間もかかるので、まずは今のまま査定を取りましょう。
Q. 角地の三角地は有利になりますか?
2つの道路に接する角地は、建築基準法で建ぺい率が10%上乗せされることがあります(角地緩和)。ただし対象になるのは、区(特定行政庁)があらかじめ指定した角地に限られ、道路の幅や交わる角度などの条件は区ごとに違います。その一方で、道路斜線が2方向からかかり、高さの制限が厳しくなることもあります。有利かどうかは、区役所の建築指導課で緩和の対象になるかを確かめたうえで、建築プランで判断しましょう。業者が角地をどう見るかは、角地の狭小地は高く売れる?角地緩和の条件で、仮の数字を使って説明しています。
まとめ
- 変形地(不整形地)は、登記の面積ではなく建物を置ける部分の広さと形で評価されます。
- 有効に使える面積の減少、建物配置の制約、駐車場の取りにくさが、売れにくいと言われる主な理由です。
- 狭小地と変形が重なると整形部分がさらに小さくなるため、古家の解体費用まで含めて考えておくと安心です。
- 建築プランを入れて「何が建つか」を示すと、買い手に伝わりやすくなります。
- 隣地との調整や分筆・合筆で形を整える方法もあり、隣地の所有者・建売業者・買取業者など、形を活かせる相手を広く比べることが大切です。
三角地や変わった形の土地をどう売るか迷ったら、査定の比べ方と売り先の候補を一緒に整理します。


