確定測量の費用は何で決まる?流れと期間・売主負担の理由
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土地を売ろうと不動産会社に相談したら、「まず測量をしたほうがいいですね」と言われた。そんな経験のある方は少なくありません。まとまった費用と時間がかかると聞くと、本当に必要なのか、いくらくらいかかるのか気になりますよね。
測量の費用は、測量の種類と土地の状況で大きく変わります。狭小地は面積が小さくても、隣の家や道路との境界を確かめる手間はさほど変わりません。面積に比例して安くなるとは限らないのです。この記事では、測量の種類ごとの費用の考え方、費用が決まる要素、抑えるコツ、売る前に測量が必要になる場面を順に説明します。
結論
測量には「現況測量」と「確定測量」があり、境界を確定させる確定測量のほうが費用も期間もかかります。費用を決めるのは、立ち会ってもらう隣地の数と、接している道路が公道か私道か(役所との境界確定が要るか)、つまり手間(工数)です。この記事では、出どころを確かめられていない金額は書いていません。隣地が多いほど、官民の境界確定が要るほど、費用は上がります。いくらになるかは、土地家屋調査士の見積もりで確かめてください。
建売業者への売却や、実測した面積で代金を決める実測売買では、確定測量を求められる場合があります。
測量費用を誰が負担するかは法律で決まっておらず、契約で決めます。見積もりの段階で「誰が払うか」を確かめ、正確な金額は土地家屋調査士の見積もりで確認しましょう。
測量の種類|現況測量・確定測量・地積更正登記の違い
測量は大きく2種類です。境界まで決めるのが「確定測量」、今の形と面積をつかむのが「現況測量」。どちらも、土地家屋調査士という専門家に頼みます。
現況測量と確定測量の違い
現況測量
- 今ある塀や境界標を目安に、おおよその形と面積を測る
- 隣の家の人の立会いは原則なし
- 費用・期間は比較的おさえられる
確定測量
- 隣の家の人と役所の立会いで境界を確かめる
- 境界確認書を取り交わす
- 費用が高くなりやすく、数か月かかることもある
現況測量
今ある塀や境界標などを目安にして、土地のおおよその形や面積を測ります。隣の家の人に立ち会ってもらったり、境界の確認書を取り交わしたりは、原則として行いません。「だいたいの面積や形を知りたい」というときに使われます。
確定測量
隣の土地の持ち主全員と、道路などを管理する役所に立ち会ってもらい、境界を確かめる測量です。確かめた内容は「境界確認書」という書面にして取り交わします。終われば、境界がはっきりした状態で売り出せます。
こと
道路や水路など、役所が管理する土地との境界を、役所と一緒に確かめる手続きです。「官民境界確定」ともいいます。土地が道路などに接していれば、確定測量で必要になります。
敷地が水路や、昔からある細い道(里道)に接しているときも、官民の境界を役所と確かめる場面が出てきます。売り方の注意は、水路・里道がある土地の売却で先に確かめることにまとめました。
地積更正登記との違い
確定測量のあとにあわせて行うことがあるのが地積更正登記です。実際に測った面積が登記簿の面積と違うとき、法務局の記録を実際の面積に直す手続きを指します。測量そのものではなく、測量の結果をもとに行う登記です。確定測量を依頼するときに、「面積が違ったら地積更正登記もお願いしたい」と、あわせて相談しておくとスムーズです。
確定測量・現況測量の費用の決まり方
測量の費用は、土地の広さ・形・隣地の数・道路が公道か私道かで変わります。正確な金額は、土地家屋調査士の見積もりで確認するしかありません。
| 種類 | 費用の考え方 | 期間 |
|---|---|---|
| 現況測量 | 隣地の立会いがないぶん、確定測量より手間が少なく、費用も低くなる | 確定測量より短い |
| 確定測量(隣地が少なく、民間どうしの立会いのみ) | 隣地の数が少ないぶん、手間が少ない | 数か月かかることもある |
| 確定測量(隣地が多く、官民の境界確定も必要) | 立会いの数と役所との手続きが増え、いちばん高くなりやすい | 民間どうしだけの場合より長くなりやすい |
| 地積更正登記 | 登録免許税1,000円+登記の報酬(報酬は事務所ごとに違う) | 確定測量のあと |
測量の料金は2003年に自由化され、国が決めた統一料金表はありません。日本土地家屋調査士会連合会が事務所を対象に行った報酬アンケートでは、確定測量の費用は「30万〜60万円」と答えた事務所が最も多いという結果が出ています。ただしこれは全国の事務所の回答で、23区の小さな土地、官民の境界確定の有無、隣地の数といった条件別の金額ではありません。自分の土地にそのまま当てはまる金額ではないので、見積もりで確かめてください。
監修者の
確定測量の費用は、結局「何人と、どこの役所と境界を確認するか」という手間で決まります。隣地が2軒ほどで、民間どうしの立会いだけで済むなら、手間は少なく済みます。隣地が4軒、5軒と多く、接している道路が区道などの公道で役所との境界確定(官民査定)も必要になると、手間は大きく増え、費用もそのぶん上がります。接している道路が私道なら役所の立会いは要りませんが、私道の持ち主が何人もいると、そのぶん立会いの手間が増えます。
土地家屋調査士に現地と資料を見てもらい、見積もりを取るのがいちばん確実です。
費用が変わる主な要因
見積もりの金額を左右するのは、主に次の要素です。
- 測量の種類:現況測量か、確定測量か
- 隣地の数:立会いが必要な隣地所有者が何人いるか(いちばん大きく効く)
- 接している道路が公道か私道か:公道(区道・都道など)なら役所との境界確定(官民査定)が必要。私道なら私道の持ち主との立会いが必要
- 官民査定の有無:道路のほか、水路などの公共の土地に接しているか
- 資料の有無:過去の測量図や境界確認書が残っているか
- 境界標の状態:境界標がなくなっていて、新たに設置する必要があるか
- 隣地所有者の状況:所在が分からない、相続が起きている、協力が得られにくいなど
- 登記の有無:測量結果に合わせて地積更正登記や分筆登記を行うか
狭小地は面積こそ小さいものの、まわりを何軒もの家に囲まれている場合があります。立ち会ってもらう人数は、広い土地と変わらない場合があります。だから「小さい土地だから測量は安い」とは限らないのです。
官民境界の確定は売る前に要るか|費用と期間の見方
前面道路が区道などの公道なら、確定測量には官民境界の確定がついてきます。ただ、売る前に必ず済ませる決まりがあるわけではありません。買い手が確定測量を条件にするかどうかと、すでに確定した図面が残っているかどうかで、答えが変わります。
先に調べておきたいのは、次の3つです。順番に見ていくと、無駄な測量を避けやすくなります。
- 手元の書類を探す:土地を買ったときや相続したときの書類の中に、道路との境界を役所と確かめた記録(測量図、境界確認書など)がないか見ます。家の書類棚や、登記を頼んだ司法書士・調査士の控えが手がかりになります。
- 区役所の道路の窓口に聞く:土木課・道路課など、区によって名前は違います。公図と地番(登記簿上の土地の番号)を持って、「前面道路との境界を確定した図面があるか」を聞きます。図面が残っていれば、官民境界の確定をやり直さずに済む場合があります。例えば杉並区では、土木管理課の道路台帳係が窓口です。境界を確定した箇所は、区のウェブ地図「すぎナビ」でも図を見られます。窓口では、証明書がA3判1枚300円、図の写しが1枚50円です(杉並区公式サイトで2026年10月14日に確認。手数料は変わることがあります)。ほかの区が同じとは限りません。また、都道や国道に面している場合は、窓口が区役所ではありません。
- 見積もりで範囲を確かめる:土地家屋調査士に見積もりを頼むとき、「官民境界の確定は金額に含まれていますか」と聞きます。
3つ目は、費用の比べ方に直結します。官民境界の分が別の項目になっている見積もりと、ひとまとめにした見積もりでは、総額だけを並べても比べられません。同じ範囲で見積もってもらうのが、損をしないコツです。官民境界の確定の手続きの進め方や、費用のうち区が負担する範囲は、区によって違う場合があります。金額は書けないので、区役所と調査士の両方に確かめてください。
期間は、道路を管理する役所(区道か都道か国道か)によって変わります。具体的な例は、後ろの「依頼先の選び方と、測量を進める流れ・期間」の節に載せています。売る時期が決まっているなら、売り出す前に、区役所へ図面の有無を聞くところだけでも先に済ませておくと、後の段取りが組みやすくなります。
隣の家の人との境界で話が止まっている場合は、隣が協力しないときの境界の進め方も見てください。
費用を抑える3つのコツ
高くなりがちな確定測量ですが、進め方次第で費用を抑えられることがあります。ポイントは資料・相見積もり・買取という3つの選択肢です。
- 資料をそろえておく:登記事項証明書、公図、過去の測量図や境界確認書が残っていれば、調査の手間が減り、費用が下がる場合があります。まずは家の中にこうした書類がないか探してみましょう。必要書類の全体像は土地売却に必要な書類の一覧にまとめています。
- 相見積もりを取る:土地家屋調査士によって金額に差が出ることがあります。2〜3社に見積もりを頼み、内容と金額を比べましょう。
- 買取業者に相談する:買取業者の中には、測量の費用を業者側が負担する条件で話を進めるところもあります。見積もりを比べるときのポイントは買取業者の選び方を参考にしてください。
買い
買い取る会社の担当者が土地を見るとき、真っ先に確認するのが測量図と境界確認書の有無です。これらが残っている土地は調査の手間が省けるぶん、査定でもプラスに働きやすいです。逆に何も出てこない土地は、確定測量にどれだけ費用と時間がかかるか読みにくいので、査定額を保守的に見積もる場合があります。
誰が払う?売主負担になりやすい理由
測量費用の負担者は、法律で決まっているわけではありません。ただ、境界を示す役目は売主側にあると考えられているため、売主が負担する前提で話が進む場合があるので注意が必要です。
買取の場合は、業者が負担する条件で話が進むこともあります。負担者は契約の条件によって決まるので、断定はできません。見積もりや媒介の相談の段階で、「測量費用はどちらが負担するか」を必ず確認しておきましょう。
測量が必要かどうか、どちらの測量を選べばいいか迷っている。そんなときは、売却の進め方の相談として、考え方を無料で整理します。
売却前に測量が必要なケース・不要なケース
必要になりやすいのは、買い手が確定測量を条件にするときと、実際に測った面積で売買するときです。境界があいまいな場合や、土地を分けて売る場合も測量が欠かせません。
買い手が確定測量を条件にする場合
建売業者や買取業者は、建物の配置を考えたり、土地を分けて売ったりするために、境界の確定を求めることがあります。一般の買い手も、住宅ローンや将来のトラブルを防ぐために、確定測量を条件にすることがあります。
実測売買をする場合
土地の売買には、2つのやり方があります。登記簿の面積で価格を決める「公簿売買」と、実際に測った面積で価格を決める「実測売買」です。実測売買では測量の結果で代金を精算するので、測量が前提になります。
境界がはっきりしない場合
境界標が見当たらない。塀の位置が境界と合っているか分からない。隣の家と境界について話したことがない。こうした場合は、売る前に確かめておくと安心です。境界の決め方は境界が決まっていない土地を売るときの確定測量でくわしく解説しています。
土地を分ける場合
土地の一部だけを売る場合や、分けて売る場合は、分筆登記のための測量が必要です。分筆して売るときの費用の内訳と手順は土地を分筆して売るときの費用と手順で扱っています。
測量をしなくても売れるケース
過去に確定測量をしていて境界確認書がそろっているなら、改めて測量しなくても売れることがあります。買取業者が自社で測量する条件で買い取る場合も同じです。
ただ、境界の問題を抱えたまま売ると、買い手の評価が下がることがあります。売った後に、契約の内容と違うとして売主が責任を問われる(契約不適合責任)おそれもあります。どんな場面で問題になるかは、契約不適合責任のトラブルと防ぎ方で解説しています。
依頼先の選び方と、測量を進める流れ・期間
測量の依頼先は、土地の境界や測量を専門にする国家資格者、土地家屋調査士です。心当たりがなければ、日本土地家屋調査士会連合会のサイトの会員検索や、都道府県ごとの土地家屋調査士会のサイトから、地域の会員を探せます。
見積もりを頼むときは、手元の資料を持っていきましょう。登記事項証明書、公図、過去の測量図や境界確認書があれば、見積もりの精度が上がります。測量図そのものの読み方や、確定測量と現況測量の違いをもう少し詳しく知りたい場合は、測量の専門メディアの確定測量とは?現況測量との違いが参考になります。
見積もりを
- 現況測量か、確定測量か
- 官民査定の費用が含まれているか
- 境界標の設置費が含まれているか
- 地積更正登記・分筆登記の費用が含まれているか
- 終わるまでにどのくらいの期間を見込んでいるか
測量は、相談から登記まで6つのステップで進みます。時間がかかりやすいのは、隣の家や役所との立会いです。売る時期が決まっているなら、早めに動き出しましょう。
確定測量の流れ
- 相談・見積もり土地家屋調査士に資料調査と見積もりを頼む
- 資料調査法務局や役所で、これまでの測量図や境界の資料を調べる
- 現地の測量土地の形や境界標の位置を測る
- 立会い隣の家の人や役所と、境界を確かめる
- 境界確認書・境界標書面を取り交わし、境界標を設置する
- 登記必要に応じて、地積更正登記や分筆登記をする
官民境界の確定にかかる期間は、道路の管理者(区道か都道か国道か)によって扱いが分かれ、全国一律の基準はありません。例えば千代田区は、申請を受け付けてから現地の立会いまでに3か月、立会いのあと境界図を出すまでにさらに2か月ほどを見込む運用です。混み合う時期は、確定測量全体で半年ほどかかることもあります。詳しい期間は、土地がある区の道路管理の窓口(土木課・道路課など)で確認しましょう。
隣の家の人との調整がうまくいかないと、期間が延びることがあります。
隣地の立会いをスムーズにするために
確定測量でいちばん時間がかかりやすいのが、隣の家の人の立会いです。次のことに気をつけると、協力を得やすくなります。隣の持ち主が亡くなっていて立会いが取れないときは、境界の立会いなしで売る前にできることを見てください。
- 測量を始める前に、隣地の方へ一言あいさつをしておく
- 立会いの日程は、隣地の方の都合を優先して調整してもらう
- 隣地の所有者が亡くなっている場合は、相続人の確認に時間がかかることを見込んでおく
狭小地が多い地域では、ブロック塀を隣と共有していたり、境界の上に塀が建っていたりすることもあります。塀をどうするかも、立会いの場で話題になりやすいところです。事前に土地家屋調査士と状況を共有しておきましょう。
査定を頼む段階まで来たら、1社だけでなく複数の会社の査定額を比べるのが基本です。
よくある質問
Q. 測量費用は売主と買主のどちらが負担しますか?
法律で決まっているわけではありません。負担者は契約で決めます。売主が境界を示す立場なので売主負担で話が進む場合もあれば、買取で業者が負担する条件になる場合もあります。見積もりや媒介の相談の段階で、「誰が払うか」を確かめましょう。
Q. 隣地の人が立会いに応じてくれない場合はどうなりますか?
確定測量が終わらないことがあります。その場合、法務局の「筆界特定制度」を使って、登記上の境界(筆界)を特定してもらう方法もあります。隣の家との争いになっている場合は、弁護士に相談してください。
Q. 登記簿の面積と実際の面積が違うことはありますか?
古い土地では、登記簿の面積と実際に測った面積が違うことがあります。どちらの面積で売買するかは、契約の段階で決めておく必要があります。面積を直す場合は、地積更正登記で登記簿を実際の面積に合わせます。
Q. 測量の結果、面積が減ったら価格も下がりますか?
実測売買なら、決めた単価で代金を精算するので、面積が減れば代金も減ります。公簿売買なら、原則として面積の差で精算しない契約にします。
Q. 地積更正登記の費用はどのくらいですか?
確定測量の費用とは別に、法務局に納める登録免許税が不動産1筆につき1,000円かかります(登録免許税法で定められた金額)。これに加えて、土地家屋調査士へ登記の手続きを頼む報酬がかかります。報酬は事務所ごとに違うので、見積もりで確かめてください。内訳は、測量を依頼した土地家屋調査士に確認しましょう。
まとめ
- 測量には現況測量と確定測量があり、確定測量の方が費用・期間ともにかかる
- 確定測量の費用は、日本土地家屋調査士会連合会のアンケート(全国)では「30万〜60万円」が最多。ただし自分の土地の金額は、土地家屋調査士の見積もりで確かめる
- 費用は測量の種類、官民査定の有無、隣地の数、資料の有無で変わり、狭小地でも面積に比例して安くなるとは限らない
- 資料をそろえる、相見積もりを取る、買取業者に相談するなどで費用を抑えられることがある
- 負担者は契約で決まる。売主負担になる場合も業者負担になる場合もあるため、見積もりの段階で「誰が払うか」を確認する
測量をするか、しないで業者に買ってもらうか。段取りと費用の負担を含めて比べたい方は、下のボタンからご相談ください。


