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更地にすると固定資産税はどうなる?解体と売却の時期の決め方

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古い家を壊して更地にすると、固定資産税が上がると聞いた。でも、いつ壊せばいいのか、壊してから売れるまでの間はどうなるのか。そこがよく分からず、解体の日が決められない方は多いと思います。

この記事は、税額の計算ではなく、「いつ壊して、いつ売るか」の時期を決めるための整理です。税の負担が変わる区切りの日、更地のまま持ち続けると起きること、先に壊す・買主が決まってから壊す・古家付きのまま売るという順番の違いを説明します。

結論
固定資産税の扱いは、毎年1月1日の土地の状態で決まります。壊す時期は、税の都合だけで決めず、「いつ売れそうか」と合わせて決めるのが基本です。
売れる時期が読めないときは、先に壊さず、古家付きのまま売り出して反応を見る。買主が決まってから壊す順番もあります。ご自分の土地の税額は、納税通知書と区役所・都税事務所の窓口で確かめてください。

税の負担が変わる区切りは、毎年1月1日

答えを先に書くと、前の年の12月31日に家が建っていても、1月1日に更地なら、その年は更地として扱われます。年の途中で壊しても、売っても、その年の扱いは1月1日の状態で決まるからです。

1月1日この日の土地の状態で、その年の固定資産税の扱いが決まる

ことばの解説:1月1日の基準

固定資産税は、毎年1月1日に土地や建物を持っている人に、その年の分がかかります。年の途中で状態が変わっても、その年の扱いは動きません。年の途中で壊した場合の細かい扱いは、区役所や都税事務所で確かめてください。

カレンダーで考えてみます。11月に家を壊したとします。その年の1月1日には家が建っていたので、その年の分は家がある状態のまま。ところが、次の1月1日には更地になっているので、翌年の分から更地として扱われます。

反対に、年が明けてすぐ(1月2日など)に壊すと、その年の1月1日にはまだ家が建っていたことになります。同じ家を壊すのでも、年内か年明けかで、次の1年の負担が分かれることがあるわけです。解体の工事を12月に入れるか、1月に入れるかで迷うのは、このためです。

なお、「家が建っていると税の負担が軽くなる仕組み」そのものの説明は、この記事では短くとどめます。住宅用地の特例の中身と、古家付きのまま売るか壊すかの比べ方は、古家付き土地の売却で詳しく扱っています。ここは「いつ」に絞ります。



古家付き土地の売却|相場・注意点と解体するかの判断基準

更地にすると負担はどうなる?売れるまで持ち続けると起きること

ここも向きだけを押さえます。家を壊して更地になると、土地にかかる税の負担は重くなる向きに動きます。そのかわり、建物にかかっていた分はなくなります。

比べる点 家が建っている 更地
土地の税の負担 軽くなる仕組みが働く その仕組みから外れ、重くなる向き
建物の税 かかる なくなる
全体でどちらが大きく動くか 土地ごとに違い、一律には言えない 同左

重くなる幅は、土地の評価額や広さ、自治体の運用で変わります。「何倍になる」という言い方を見かけますが、土地ごとに違うため、この記事では倍率も金額も書きません。

問題は、壊したあとです。壊してから買主が決まるまでの間は、更地のままの税を売主が払い続けます。起きやすいのは、次のようなことです。

  • 1月1日をまたぐたびに、更地としての扱いで税がかかる。売れるのが遅れるほど、その回数が増える
  • 草が伸びる、ごみを捨てられるなど、空き地の管理が要る。近所から連絡が来ることもある
  • 一度壊した家は、元に戻せない

最後の点は大切です。建て替えできない土地(再建築不可)は、壊すと新しい家を建てられなくなることがあります。調べ方は再建築不可の土地を売る方法と接道義務の基本と、道路に接していない土地の売り方で説明しています。壊す前に、区役所の建築指導課などで、地番を伝えて確かめてください。

売るときは、1月1日をまたいだ年の税を、売主と買主で日割りで分ける(精算する)のが一般的です。ただ、精算できるのは売れたあと。売れる前の分は、売主の持ち出しです。精算のしかたは土地売却の税金と費用にも書いています。

ポイント:壊さなければ安心、とは限らない

家が建っていても、傷んだまま放置して区から勧告を受けると、軽くなる仕組みが外れることがあります。放置のリスクは、空き家を放置するとどうなるかにまとめています。傷みがひどい家は、税の負担が重くなるのを承知で、安全のために壊す判断もあります。

解体と売却の順番は3通り|どれを選ぶか

順番は、大きく分けて3つ。どれが正解ということはなく、「いつ売れそうか」で選びます。

解体と売却の順番

先に壊す

  • 更地で売り出せる
  • 買主が決まる前から、更地の税と管理を持つ
  • 解体費用を先に払う

買主が決まってから壊す

  • 契約のあと、引き渡しまでに売主が壊す
  • 更地を持つ期間が短い
  • 契約の内容を決めておく必要がある

古家付きのまま売る

  • 売主は壊さない
  • 買主が壊す前提で価格が決まる
  • 建て替えできない土地にも向く

先に壊すのは、売り出す前から更地にしておく順番です。土地の広さや形が伝わりやすい反面、買主が決まるまでは税も管理も売主の持ち出しで、解体費用も先に出します。費用の見方は木造の解体費用にまとめています。

買主が決まってから壊すのは、売買の契約を結び、引き渡しまでに売主が建物を壊して更地で渡す形です。更地を持つ期間がほとんどないので、先に壊す順番の心配(税と管理)を避けられます。その代わり、契約のあとで話が流れたときの扱い、工事が引き渡しに間に合わなかったときの扱いなど、決めておくことが増えます。契約書の内容は、不動産会社に確かめながら進めてください。

古家付きのまま売るのは、売主は何もせず、買主が壊す前提で売る形です。買主は解体費用を見込んで価格を出すことが多く、価格の交渉で調整されます。建売業者が土地を仕入れるときの見方は、建売業者に土地を売るにはに書いています。

買い手はこう見る

買い取る会社の担当者は、更地になっているかどうかより、「壊すのにどれくらい手間がかかる土地か」を先に見ます。前面道路が狭くて重機が入らない土地や、隣の家との間が狭い土地は、その手間を差し引いて買い値を考えます。だから、先に自分で壊しても、買い手がその分を上乗せして払ってくれるとは限りません。



木造の解体費用は何で決まる?見積もりの取り方と狭小地の注意

売る時期が読めないときは、どちらに倒すか

売る時期がはっきりしないなら、先に壊さず、古家付きのまま売り出して反応を見るほうに倒すのが無難です。理由は3つあります。

  • 壊さなければ、更地の税と管理の負担が始まらない
  • 壊したあとは戻せないが、壊さなければ、あとからいつでも壊せる
  • 買主が決まったときに、「買主が決まってから壊す」にも「古家付きのまま売る」にも進める

ただし、先に壊したほうが話が早いこともあります。

先に壊すことを考えてよいケース

  • 傷みがひどく、倒れたり部材が落ちたりする危険がある
  • 建て替えできると確かめてあり、更地のほうが買い手が付きやすい土地だと不動産会社に言われた
  • 買主が決まり、「更地にして渡すこと」が条件になった
  • 相続した空き家の控除を使う場合で、解体が条件になると分かった

最後の控除は、要件が細かく、改正も入っています。使えるかどうかは、相続した空き家を売るときの控除で考え方を確かめたうえで、税務署か税理士に確認してください。また、老朽化した建物を壊すときに区の助成が使えることがあります。制度によっては、申請の順番や時期が決まっていて、工事の契約を先にすると使えなくなるおそれがあります。探し方は東京23区の解体助成金・補助金まとめで説明しています。

狭小地・旗竿地は、壊す費用と工期が読みにくい点にも気をつけてください。重機が敷地に入れないと、手作業が増えて、費用も工期も延びやすくなります。「12月に頼めば年内に更地になる」と思っていたのに、年を越してしまうこともあります。1月1日をまたぐかどうかが変わるので、工期は見積もりの段階で聞いておきましょう。

壊す時期を決めるまでの順番

  1. 建て替えできるか確かめる区役所の窓口で、前面の道路と敷地の条件を聞く
  2. 古家付きのままの査定を聞く売れそうな時期と、買い手の層を確かめる
  3. 解体の見積もりを取る費用と工期、重機が入るかを聞く(契約はまだしない)
  4. 1月1日との位置関係を見る壊す日と、引き渡しの予定を、カレンダーに並べる
  5. 順番を決める先に壊す/買主が決まってから/古家付きのまま

壊したあとは、登記簿に残る建物の記録を消す手続き(建物滅失登記)も要ります。売る前に済ませておかないと、決済の日程に響くおそれがあります。手順は建物滅失登記とはで説明しています。



売る前に済ませる理由と、自分でやるか頼むかの選び方|建物滅失登記とは

壊す費用と工期の幅を、複数の業者の見積もりで並べておくと、1月1日との位置関係を考えやすくなります。

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ご自分の土地の税額は、どこで確かめるか

この記事では、税額も倍率も書いていません。税の扱いは自治体ごとに運用が違い、改正もあるからです。ご自分の土地の税額は、毎年届く納税通知書と、区役所の税の窓口で確かめてください。

  1. 手元の納税通知書を出し、土地の所在地や課税の内訳が載っている欄を見る
  2. 土地の地番を控える
  3. 区役所の税の窓口、または土地を管轄する都税事務所に連絡する。どちらの窓口が担当かは、納税通知書の送り主(発行元)か、区役所の代表窓口で聞くと早い
  4. 「今の建物を壊して更地にしたら、土地の税の扱いはどう変わるか」「壊す日によって、その年の扱いは変わるか」を聞く

ここに注意:窓口で聞くことを決めておく

壊した場合の税額の試算を出してもらえるかは、窓口によって違うかもしれません。出なくても、「いつの状態で決まるのか」という仕組みは聞けます。税の話は一般的な仕組みまでで、個別の判断は税理士に確認してください。

税の扱いが分かったら、壊すかどうかを、売却の見通しと並べて決めます。迷うときは、複数の解体業者の見積もりを比べて、費用と工期の幅をつかむところから始めると、決めやすくなります。

壊すかどうかを決める前に、複数の解体業者の見積もりを並べて、費用と工期を比べておくと安心です。

よくある質問

Q. 更地にすると、固定資産税はいくら上がりますか?

土地ごとに違うため、ここで金額や倍率は言えません。土地の評価額や広さ、自治体の扱いで変わります。上がる向きだという点だけ押さえて、金額は納税通知書と、区役所・都税事務所の窓口で確かめてください。

Q. 12月に壊すのと、年明けに壊すのでは、どちらが得ですか?

その年の扱いは1月1日の状態で決まるので、年明けに壊せば、その年の分は家がある状態で決まります。ただ、得かどうかは、売る時期や工事の都合も含めて決まります。税だけで決めず、売却の予定と合わせて考えてください。

Q. 壊したあと、売れるまでの管理はどうすればよいですか?

草刈りやごみの管理は、売主の役目です。遠方に住んでいる場合は、管理を頼める業者や、地元の不動産会社に相談する方法もあります。管理の負担を考えると、買主が決まってから壊す順番が合う場合もあります。

Q. 買主から「壊してから渡して」と言われたら?

売買の契約を結んだあと、引き渡しまでに壊す形にするのが、売主の負担が少ない進め方です。契約の前に壊してしまうと、話が流れたときに、更地の税と管理だけが残ります。契約書の内容は、不動産会社に確かめてから進めてください。

まとめ

  • 固定資産税の扱いは、毎年1月1日の土地の状態で決まる。壊す日が年内か年明けかで、次の1年の負担が分かれることがある
  • 更地にすると、土地の税の負担は重くなる向きに動く。金額や倍率は土地ごとに違うので、納税通知書と窓口で確かめる
  • 壊してから売れるまでの間は、更地の税と管理が売主の持ち出しになる。建て替えできない土地は、壊すと戻せない
  • 順番は3通り。先に壊す、買主が決まってから壊す、古家付きのまま売る。時期が読めないなら、古家付きのまま売り出すほうに倒す
  • 壊したら、売る前に建物の登記を消す手続き(建物滅失登記)も済ませる

壊す時期や売り方の順番を、建て替えできるかの確認も含めて、一緒に整理します。

この記事の監修者:十坪とつぼさん(宅地建物取引士)
東京23区で土地の仕入れ営業を担当する宅地建物取引士。狭小地・旗竿地・古家付き土地など、小さくて売りにくい土地を日々見ている。

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