狭小地の売却

土地売却の流れと期間|相談から引き渡しまでの8ステップ

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「土地を売ろうと思うけれど、何から始めればいいのか分からない」「売れるまでに、どのくらいかかるのだろう」。初めて土地を売る方にとって、全体の流れが見えないのは大きな不安です。

まだ相談先を決めていない方は、先に「何を知りたいか」で決める相談先の選び方で窓口の選び方を確認してください。この記事は、相談先が決まったあと、実際に何がどんな順番で進むかを時系列で追っていきます。

土地の売却は、相談から引き渡しまで、数か月から半年ほどかかることが多いと言われます。狭小地や相続した土地では、測量や登記の準備に時間をとられ、さらに長引くこともあります。

この記事では、土地売却の流れを8つのステップに分けて紹介します。それぞれの期間の目安と、狭小地で時間がかかりやすい工程もあわせて見ていきましょう。

結論
土地売却は8ステップで進みます。「相談・準備→査定→媒介契約→販売活動→条件交渉→売買契約→引き渡し準備→決済・引き渡し」の順です。
仲介の場合、全体で数か月〜半年程度が一つの目安ですが、狭小地は測量や登記の準備で長引くことがあります。
相続登記と境界の確認は、売ると決めたら最初に着手しましょう。

土地売却の8ステップと期間の目安

仲介で売る場合、全体で数か月〜半年程度がひとつの目安です。いちばん読みにくいのは、買い手を探す「販売活動」の期間です。販売活動の間に起きやすい売主の困りごとは、仲介の売主が囲い込みを確かめる方法で整理しています。

ステップ 主な内容 期間の目安
1. 相談・準備 書類をそろえ、土地の状況を確認する 1〜2週間程度
2. 査定 不動産会社に価格の見込みを出してもらう 1〜2週間程度
3. 媒介契約 売却を依頼する会社と契約する 数日〜1週間程度
4. 販売活動 広告・レインズで買い手を探す 1〜3か月程度(長引くこともある)
5. 条件交渉 買付証明書を受け、価格・条件を調整する 1〜2週間程度
6. 売買契約 契約を結び、手付金を受け取る 1日(準備に1〜2週間)
7. 引き渡し準備 測量・抵当権抹消・解体・引越しなど 1〜2か月程度(測量が絡むと数か月かかることも)
8. 決済・引き渡し 残代金を受け取り、所有権を移す 1日

期間はあくまで目安で、土地の条件や買い手の事情によって大きく変わります。業者に直接売る「買取」なら、ステップ3〜5が短くなります。全体で数週間〜1か月程度で終わることもあります。

なお、この8ステップは最後まで進むことを前提にしていますが、ステップ6で売買契約を結んだあとに買主から解除を言われることもあります。そのときに手付金がどうなるかは、売買契約を結んだあとに買主から解除を言われたときで整理しています。

ステップ1〜3:売り出す前の準備

売り出す前の3ステップでやることは、書類をそろえる・価格の見込みを知る・依頼する会社を決めるの3つです。ここを丁寧にしておくと、後の手続きがぐっと楽になります。

ステップ1:相談・準備

まずは、土地の基本の情報を集めます。登記簿謄本(登記事項証明書)、公図、地積測量図は、法務局の窓口かオンラインで請求できます。評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書で確認します。何をどこで取ればいいかは、土地売却に必要な書類一覧にまとめました。権利証が見当たらないときの対処法も載せています。

現地にも一度足を運んでください。敷地の角に境界標(境目を示す杭やプレート)があるか。隣の屋根や塀がはみ出していないか(越境)。この2つを見ておくだけでも、後の話が早くなります。

ポイント:最初に手を付けたい2つのこと

名義が亡くなった方のままでは、土地は売れません。2024年4月から、相続登記は義務になっています。相続登記と境界の確認は時間がかかりやすいので、売ると決めたらすぐに始めましょう。

相続した土地の進め方は、相続した土地を売る流れで詳しく解説しています。

ステップ2:査定

不動産会社に査定を頼み、売れる見込みの価格を出してもらいます。狭小地は、会社によって見立てが分かれやすい土地です。複数の会社に頼み、金額の根拠を比べましょう。査定で何を見られるかは、狭小地の査定の7つのチェック項目が参考になります。

ステップ3:媒介契約

売却を頼む会社が決まったら、媒介契約を結びます。不動産会社に売却活動を任せる契約で、3つの種類があります。

媒介契約の3つの種類

一般媒介

  • 複数の会社に依頼できる

専任媒介

  • 依頼は1社だけ
  • 2週間に1回以上の報告義務
  • 7営業日以内にレインズへ登録

専属専任媒介

  • 依頼は1社だけ
  • 自分で見つけた買い手とも直接契約できない
  • 1週間に1回以上の報告義務
  • 5営業日以内にレインズへ登録

専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、3か月以内です。狭小地や私道に面した土地など、手間のかかる土地でどれを選ぶとよいかは、媒介契約の3種類の違いで詳しく比べています。契約が決まると、成約したときにかかる仲介手数料も気になるところです。上限額の計算方法は、仲介手数料の計算方法と上限額を先に確認しておくと、手取り額の見通しが立てやすくなります。



相続した土地を売る流れと税金|登記・特例・期限の注意点

ステップ4〜5:販売活動と条件交渉

販売中は、問い合わせや内見の数をこまめに聞くことが大切です。買い手が見つかったら、価格だけでなく引き渡しの時期や測量の負担まで話し合います。

ステップ4:販売活動

不動産会社が、物件サイトへの掲載、レインズ(不動産会社どうしの物件情報の仕組み)への登録、チラシなどで買い手を探します。狭小地なら、個人向けの広告に加えて、建売業者や隣地の所有者への打診も効果的です。

問い合わせや内見の数は、定期的に確認しましょう。反響が少なければ、価格や販売資料を見直すきっかけになります。

ステップ5:条件交渉

購入希望者が見つかると、「買いたい」という意思を示す書面(買付証明書)が届きます。価格のほかに、次の条件を話し合います。

  • 引き渡しの時期
  • 測量や境界確定をするか、費用をどちらが持つか
  • 古家を解体して引き渡すか、古家付きのまま引き渡すか
  • 住宅ローン特約の有無と期限
  • 契約不適合責任の範囲

ことばの解説:住宅ローン特約

買い主の住宅ローンの審査が通らなかったとき、契約を白紙に戻せるという取り決めです。いつまでに審査の結果が出るのか、期限もあわせて確認します。

どのステップから手を付ければいいのか迷っている方は、売却の進め方を無料で一緒に整理します。

ステップ6〜8:契約から引き渡しまで

契約から引き渡しまでは、1〜2か月程度の期間を取るのが一般的です。その間に、測量や登記、古家の片付けなどを済ませます。

ステップ6:売買契約

売り主と買い主が売買契約書に署名・押印し、売り主は手付金を受け取ります。契約の前には、不動産会社の宅地建物取引士が、買い主に重要事項説明を行います。

ここに注意:告知書は正確に

売り主は、土地の状況を「告知書」に書いて買い主に伝えます。境界、越境、地中の埋設物、過去の使われ方などです。知っていることを伝えないと、後で契約不適合責任を問われるおそれがあります。

ステップ7:引き渡し準備

この期間に、次の準備を進めます。

  • 確定測量・境界の確認(契約の条件に入っている場合)
  • 住宅ローンが残っていれば、金融機関への完済の連絡と、抵当権抹消の準備
  • 登記の住所が今の住所と違えば、住所変更登記の準備
  • 古家の解体、残置物の処分(契約の条件による)

契約の条件に確定測量が入っていると、この期間が一番読みにくくなります。確定測量の費用は、隣地の数と、道路の管理者(区や都)との立会い(官民査定)が要るかどうかで決まります。隣地が多く官民査定も必要になると、費用も期間も延びやすいので、数か月〜半年ほど見ておいた方が安心です。金額はこの記事では書いていません。費用の決まり方は確定測量の費用は何で決まる?で解説しています。

古家付きのまま引き渡すか、解体してから引き渡すかも、この段階で確定させます。重機が入れない狭小地では手壊しになり、解体費に追加がかかることがあります。金額はこの記事では書いていません。費用の決まり方は木造の解体費用は何で決まる?にまとめました。

ステップ8:決済・引き渡し

決済の日は、ふつう買い主が使う金融機関などに関係者が集まります。残りの代金の受け取り、固定資産税の精算、所有権移転登記の申請を、同じ日に行います。登記の申請は司法書士が担当します。鍵や関係書類を渡せば、引き渡しは完了です。

売却後:確定申告

利益(譲渡所得)が出たら、売った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をします。費用と税金の計算は、売却の費用・税金と手取り額の出し方をご覧ください。



土地売却の税金と費用|内訳と、税額を自分で見積もる手順

狭小地で時間がかかりやすい工程

狭小地や古家付き土地で長引きやすいのは、相続登記・確定測量・私道の承諾・越境・共有者の合意です。どれも、売り出す前から準備を始められます。

工程 時間がかかる理由 早めにできること
相続登記 相続人全員の合意(遺産分割協議)や戸籍の収集に時間がかかる 売却を考えた時点で司法書士に相談する
確定測量 隣地所有者全員の立会いが必要。道路と接する部分は役所との協議も必要 境界標の有無を早めに確認する
私道の承諾 私道の所有者から通行・掘削の承諾書をもらう必要がある 私道の所有者を登記で確認する
越境の覚書 隣地との話し合いに時間がかかる 越境の有無を現地で確認する
共有者の合意 共有名義の場合、売却には全員の同意が必要 共有者と早めに方針を話し合う
道路境界標が見つからないあなたの土地=境界標
境界標:土地の角にある杭やプレート。なくなっていると、隣の人の立会いのもとで境界を確定させる必要があります。

確定測量は、隣地が少なく民間どうしの立会いだけなら数か月程度で終わることが多いです。隣地が多く官民の境界確定も必要なら、数か月〜半年ほどかかることもあります。境界標が見当たらない、隣の人と連絡が取りにくいといった事情があると、さらに延びます。境界の決め方は境界が決まっていない土地の売却と確定測量の流れで解説しています。



境界が決まっていない土地は売れる?隣が協力しないときの進め方

土地売却の注意点|小さな土地で見落としやすい4つ

小さな土地の売却で足を引っ張りやすいのは、境界・接道・古家・隣地の4つです。どれも、売り出す前に分かっていれば手が打てます。逆に、契約の直前に見つかると、話が止まったり値引きを求められたりします。

境界は、隣との境目がはっきりしているかどうかです。境界標が見当たらないと、買い手側が測量を条件にしてくることがあります。売り出す前に、現地で杭やプレートを探しておきましょう。進め方は隣が協力しないときの境界の決め方にあります。

接道は、道路との関係です。家を建てる土地は、道路に2m以上接していないといけません。ここを満たさない土地は建て替えができず、買い手が限られます。役所で確認する手順は、接道義務と、2mに足りない土地の売り方と再建築不可の土地の売却方法で扱っています。

古家は、残すか壊すかの判断です。更地にすると買い手は増えますが、解体費を先に払うことになります。壊す前に、古家付きのまま売った場合の見られ方を確かめてください。判断の材料は古家付き土地の売却にまとめました。

隣地は、境界の立会いや越境の話でお世話になる相手です。屋根や塀のはみ出しは、放っておくと買い手の不安の種になります。覚書の考え方は越境がある土地の売却で解説しています。

ポイント:注意点は「売る前に知っておく」のがコツ

4つとも、不動産会社に伝えていない事情があると、査定額のずれや契約後のトラブルにつながります。分かっていることは、査定の前に全部伝えると、後戻りが少なくなります。

自分の土地がいくらくらいで売れそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、相場の幅がつかめます。

よくある質問

Q. 売却にかかる期間を短くする方法はありますか?

業者に直接売る買取なら、販売活動がいらないため期間を短くできます。仲介でも、相続登記や境界の確認を売り出す前に済ませておけば、契約後の手続きがスムーズです。

Q. 引き渡しの時期は、売り主が決められますか?

買い主との交渉で決めます。住み替えや相続税の納付などで希望の時期があるなら、条件交渉の段階で伝えておきましょう。

Q. 遠方に住んでいても売却できますか?

できます。売買契約や決済は、不動産会社や司法書士と調整して、郵送などで進められる場合があります。本人確認や意思確認の手続きが必要になるので、早めに相談してください。

Q. 売買契約の後にキャンセルされることはありますか?

あります。買い主は、手付金を手放せば、決められた期限までは解約できるのが一般的です。住宅ローン特約がある場合は、ローンが通らなければ白紙解約になります。契約書の条件を確認しておきましょう。解除の種類ごとに手付金がどうなるかは、売買契約のあとに買主が解除を言ってきたらで整理しています。

まとめ

  • 土地売却は、相談・準備から決済・引き渡しまでの8ステップで進む
  • 仲介なら数か月〜半年程度が目安。買取ならより短くなる
  • 契約から引き渡しまでは、1〜2か月程度の期間を取ることが多い
  • 狭小地は相続登記・確定測量・私道の承諾・越境・共有者の合意で時間がかかりやすい
  • 相続登記と境界の確認は、売ると決めたら最初に着手する

仲介・買取・建売業者のどれで売るかは、狭小地の売り方の比べ方で解説しています。

売却を急いでいて、業者の買取価格の目安を比べたい方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者:十坪とつぼさん(宅地建物取引士)
東京23区で土地の仕入れ営業を担当する宅地建物取引士。狭小地・旗竿地・古家付き土地など、小さくて売りにくい土地を日々見ている。

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