セットバックが必要な土地の売却|2項道路の後退距離と価格への影響
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「前の道が狭いので、建て替えるときはセットバックが必要です」。不動産会社からそう言われて、土地が削られてしまうのかと戸惑う方は少なくありません。
23区の周辺区には、幅4m未満のまま残っている古い道がたくさんあります。こうした道の多くは、建築基準法の道路の規定にある「2項道路」に指定されていて、セットバックの対象です。この記事では、2項道路(二項道路とも書きます)とセットバックの仕組み、後退距離と面積の計算のしかた、価格への影響、買い手への説明の準備まで、順番に見ていきます。
結論
セットバックは、幅4m未満の「2項道路」に面した土地で、建て替え時に道路の中心線から2m下がるルールです。
下がった部分は敷地面積に含まれず、建物も塀も作れないため、有効に使える面積が減ります。
後退距離と面積を事前に調べ、買い手に数字で説明できるようにしておくことが大切です。
セットバックとは?2項道路(二項道路)の仕組み
セットバックは、狭い道を将来4mに広げるためのルールです。建て替えのときに、道路の中心線から2mの位置まで敷地を下げます。これとは別に、都市計画で道路にする予定が決まっている土地もあります。確認先は都市計画道路の予定地を売るときの確認先を見てください。
建築基準法では、道路の幅は原則4m以上と決められています。ただ、法律ができる前からある4m未満の道も、23区にはたくさん残っています。これを道路と認めないと、多くの家が建て替えできなくなってしまいます。
そこで、法律ができた時点ですでに家が建ち並んでいた4m未満の道は、特別に扱われます。区や都(特定行政庁)が指定したものは「道路とみなす」ことになりました。これが建築基準法の道路の規定にある道路、通称「2項道路」です。
区が道を広げる事業を進めているところもあります。例えば杉並区は、2項道路の後退部分を区が整備しています。区の事業と売却の関係は、杉並区の土地売却ガイドで、区のページの内容をまとめています。
こと
道路の幅を将来4mにするために、敷地の一部を道路として空けておくことです。空けた部分には、家も塀も作れません。
反対側ががけや川の場合
道の向かい側が、がけ・川・線路などで下がれない場合もあります。このときは、がけ・川・線路などの、道に面した側の境界線から4mの位置まで、こちら側だけで下がります。そのぶん、下がる距離は大きくなります。幅3mの道で、向かいのがけなどが道の端にぴったり接しているなら、下がる距離は1.0mです(数字の例は、この後の「向かいが後退できない場合(一方後退)」で見られます)。
43条2項との違いに注意
2項道路の「2項」は、建築基準法の道路の規定の第2項を指します。名前の似た制度に、道路にまったく接していない土地を例外的に建てられるようにする43条2項があります。前の道が「狭いけれど道路として認められている」のか、それとも「そもそも道路に接していない」のかで、必要な対応はまったく違います。自分の土地がどちらに当たるか分からない場合は、43条2項(旧ただし書き)の解説もあわせてご覧ください。前の道がどの種類かを見分ける手順は、位置指定道路か二項道路かの調べ方で説明しています。
後退距離と面積の計算方法
下がる距離は、2m −(今の道路の幅 ÷ 2)でおおよそ計算できます。道路の中心線が、道のまん中にあると考えた場合の計算です。実際に現地でどこを見て確かめるかは、測量の専門メディアのセットバックの現地確認で見るべきポイントが詳しいです。
| 今の道路の幅 | 中心線から敷地までの距離 | 後退距離の目安 | 間口8mの場合の後退面積 |
|---|---|---|---|
| 2.7m | 1.35m | 0.65m | 5.2㎡ |
| 3.0m | 1.5m | 0.5m | 4.0㎡ |
| 3.6m | 1.8m | 0.2m | 1.6㎡ |
※道路の中心線が道のまん中にあり、両側が後退する前提の計算です。
ただ、実際の中心線は、見た目の道のまん中とずれていることがあります。向かいの家がすでに下がっている場合や、区が中心線を別に決めている場合です。正確な距離は、区役所の建築指導課や道路を管理する課で確認してください。住所と地番を伝え、「この道の中心線と後退線はどこですか」と聞けば調べてもらえます。窓口の名称や、事前協議の仕組みがあるかどうかは区によって異なるので、まずは区の代表電話で「セットバックの相談をしたい」と伝えると、担当課に案内してもらえます。
「うちは何㎡になるのか」を先に計算する
売主が知りたいのは、後退面積そのものより、結局この土地は何㎡として売るのかということでしょう。登記簿に載っている面積(公簿面積)のつもりで金額を想像していると、後で「思ったより狭い」と驚くことになります。金額の話に入る前に、自分で有効な面積を出しておくと安心です。
有効宅地面積の出し方(仮の数字の例)
- 後退距離を出す幅3mの道なら 2m −(3m ÷ 2)= 0.5m
- セットバック面積を出す接道間口 6m × 後退距離 0.5m = 3㎡
- 有効宅地面積を出す公簿面積 50㎡ − 3㎡ = 47㎡
式にすると、次のとおりです。
- セットバック面積 = 接道間口 × 後退距離
- 有効宅地面積 = 公簿面積 − セットバック面積
ただし、この47㎡は「条件がそろった場合の目安」です。次のどれかに当てはまると、数字は変わります。
この
- 向かいが川・がけ・線路などで、こちら側だけで4mを確保する(次の項目)
- 道路の中心線が、見た目のまん中とずれている
- 角地で、隅切りのために建てられない部分が増える
- 道の幅が、測る場所によって違う
- 公簿面積と、測量した面積が違う
「基本は0.5m」と言われることが多いのは、幅3mの道を例に説明されることが多いからです。自分の土地に当てはまるとは限りません。最終的な数字は、区役所で確かめた後退線と、測量図で確定させてください。
向かいが後退できない場合(一方後退)
ここまでの表は、道の両側の家が半分ずつ下がる前提でした。向かいが川・がけ・線路などで下がれないと、その境界線から4mの位置まで、こちら側だけで下がることになります。これを一方後退(片側後退)と呼ぶことがあります。
向かいのがけなどが、幅3mの道の端にぴったり接している場合、後退距離は0.5mではなく1.0mです。後退面積は2倍になります。(がけなどと道の端にすき間があれば、下がる距離は変わります。)
同じ土地でも後退のしかたで変わる(間口6m・公簿50㎡・幅3mの道の例)
両側が後退する場合
- 後退距離 0.5m
- 後退面積 6 × 0.5 = 3㎡
- 有効宅地面積 47㎡
こちら側だけの場合
- 後退距離 1.0m
- 後退面積 6 × 1.0 = 6㎡
- 有効宅地面積 44㎡
「基本は
向かいが川・がけ・線路の土地は、幅3mの道でも1.0m下がることがあります。3㎡の差は、小さな土地では家の間取りにも売却額にも響きます。自分の土地がどちらかは、区役所の建築指導課で、住所と地番を伝えて「向かい側の状況を含めた後退線」を聞いてください。
隅切りと、道の幅を測る場所
角地の隅切りにも気をつけてください。隅切りは、道が交わる角を三角に空けて、見通しと曲がりやすさを確保するものです。セットバック(2項道路の後退)とは別の決まりで、東京都では、東京都建築安全条例が、幅6m未満の道が交わる角地に求めています。ただし、隅角(2本の道が敷地の角で作る角度)が120度以上の、角がゆるく開いている角地は対象外です。空けた部分には建物も塀も建てられません。ただ、多くの場合は敷地面積には数えられます。整備後に道路として扱われるときなどは、数えられないこともあります。角地の土地は、区役所の建築指導課で、隅切りが必要か、寸法はいくつか、面積に入るかを聞いておきましょう。
もう一つは、道の幅を測る場所です。古い道は、場所によって幅が違います。自分で測るなら、道の端(向かいの塀や側溝の縁)から、こちら側の端まで、巻尺を水平にまっすぐ当てます。土地の前の両端とまん中の3か所を測ると、ばらつきが分かります。ただ、側溝や路肩を道の幅に含めるかどうかは、役所の扱いで変わることがあります。自分で測った数字は目安にとどめてください。区の道路台帳に載っている幅と食い違うこともあるので、区役所で聞くときは、「台帳の幅」と「自分で測った幅」を並べて確認しましょう。どこで測った幅かによって、後退距離も変わります。
セットバック部分は敷地面積に含まれない
下がった部分は、建ぺい率や容積率を計算するときの敷地面積に入りません。例えば、登記の面積が60㎡で、下がる部分が4㎡なら、計算に使える面積は56㎡です。狭い土地ほど、この差が家の大きさに響きます。
仮に、建ぺい率60%・容積率160%の地域だとして計算してみます(仮の数字です)。
セットバックの前と後で建てられる広さ(仮の数字)
後退前 60㎡で計算
- 建築面積 36㎡まで
- 延べ床面積 96㎡まで
後退後 56㎡で計算
- 建築面積 33.6㎡まで
- 延べ床面積 89.6㎡まで
数字の上では小さな差に見えます。ですが3階建ての間取りでは、部屋1つ分に近い違いになることもあります。とくに10坪前後の狭小地は、もともとの余白が少ないぶん、後退でわずかに減っただけでも間取りに直結します。狭小地でどのくらいの家が建てられるかの目安は10坪前後の土地に建てられる家でまとめています。
前面道路の幅と容積率
前の道の幅が12m未満のときは、容積率が道の幅でも制限されます。用途地域が住居系なら道の幅(m)に0.4、それ以外の地域なら0.6をかけた数字と、都市計画で決まった容積率を比べて、小さい方が上限になります(建築基準法の容積率の規定)。2項道路の場合、後退がまだ済んでいなくても、この計算に使う道の幅は4mとして扱うのが一般的です(新宿区建築指導課の資料より)。都市計画の容積率と、道の幅による上限、両方を確認しておきましょう。
セットバックは価格にどう影響するか
買い手は、実際に家を建てられる面積で土地を評価します。そのため、セットバック部分は価格の計算から差し引いて考えるのが一般的です。広告にも「セットバック約○㎡」と書かれます。
建売業者のように、新築を建てて売ることを前提に土地を仕入れる会社は、後退後の面積でプランを組んでから価格をつけます。同じ登記面積でも、後退距離が違えば提示額が変わることがあります。買い手の見方は建売業者に土地を売る方法で詳しく説明しています。
買い
後退距離や面積があいまいなまま持ち込まれた土地は、安全側に厳しめの数字で見積もるしかありません。区で調べた中心線の位置と後退面積の資料が一枚あるだけで、提示できる金額の幅はぐっと狭まります。
道路の幅が狭いこと自体の影響
セットバックが必要ということは、前の道が狭いということでもあります。車の出し入れがしにくい、工事の車が入りにくい。こうした点も価格に影響します。相場を調べるときは、同じように狭い道に面した土地の取引を参考にしましょう。調べ方は坪単価だけに頼らない相場の調べ方で説明しています。
すでにセットバック済みの場合
前の持ち主がすでに下がっている場合、その部分は道路のようになっています。登記の上では自分の土地のままでも、使える土地ではありません。下がり済みかどうかで説明の中身が変わるので、現地と登記を見比べておきましょう。
セットバックの面積や後退線をどこで調べればいいか分からない場合は、役所で聞くことを一緒に整理します。
買い手への説明のしかた
買い手には、下がる距離と面積を数字で示すのがいちばんです。セットバックは、契約前に物件の法律上の制限を書面で説明する「重要事項説明」の対象でもあります。
売主のほうで次の資料を用意しておくと、話がスムーズに進みます。
買い
- 前の道が2項道路であること(区役所で確認した結果)
- 下がる距離と面積の見込み(測量図があれば添付)
- 下がった部分を区に寄付するか、自分で持ち続けるか
- 下がる部分に、塀・門・植木などがあるか
後退部分の扱いは区によって違う
下がった部分の扱いは、大きく3つに分かれます。区に寄付して区の道路にする、所有権はそのままで区に無償で使ってもらう「無償使用承諾」を出す、特に手続きをせず自分で持ち続ける、の3つです。ただし、選べる形は区や道路の種類で変わります。たとえば世田谷区では、寄付と無償使用承諾を選べるのは区道・区管理道路に限られ、私道には別の形(整備等承諾)があります。また、自分で持ち続ける場合も、区によっては建築主が自分で整備する形(自主整備)を取ります。多くの区は、狭い道を広げる「狭あい道路拡幅整備事業」のような制度を設けていて、測量や境界の確認、後退部分にあるブロック塀の撤去などに助成が出ることがあります。ただし対象になる工事の種類や、助成される金額の範囲は区ごとにかなり違います。区役所の担当課(土木課・道路課など、名称は区で異なります)で「狭い道路の拡幅整備の制度はありますか」と聞いてみてください。
世田谷区・杉並区・文京区で、区のページに書かれていること
「区によって違う」と言われても、イメージしにくいところです。当サイトの区別ガイドで、区の公式ページを確かめた8区のうち、狭あい道路の制度の中身まで確かめているのは世田谷区・杉並区・文京区の3区です。その3区を並べます。
| 項目 | 世田谷区 | 杉並区 | 文京区 |
|---|---|---|---|
| 建て替えるときの手続き | 事前に区と協議する。協議書は、建築確認の申請などの30日前まで | 建築確認申請の前に、事前協議が必要 | 建築確認申請を出す前に、協議書類を提出する。立会の予約が2か月程度先まで入っていることもあり、協議完了まで立会から1か月程度かかる |
| 下がった部分の扱い | 道路の種類で選べる形が決まる。区道・区管理道路は「無償使用承諾」か「寄附」、私道は「整備等承諾」、どの道路でも「自主整備」もある | 建築主や土地所有者の承諾を得て、区が後退部分や隅切り部分を整備する | 区道は「無償使用承諾」か「寄附」の2つから1つを選ぶ(無償使用承諾では分筆も所有権の移転登記も行わない。寄附は分筆して区が移転登記する)。私道は整備の完了後、後退用地を所有者に引き継ぎ、所有者が維持管理する(所有権の移転はしない) |
| 門や塀などの撤去費用 | 助成の制度もあると、区のページに書かれている(金額はガイドでは確かめていない) | 区が拡幅整備の工事をするとき、撤去費用の一部などを助成する | 塀の撤去などに助成がある。助成対象工事の施工前に交付申請する。自主整備に当たる場合と、区の他の要綱で助成を受けるときは対象にならない(金額は要綱の単価表で決まる。ガイドでは確かめていない) |
| 私道のとき | 私道の所有者全員の承諾書がそろわないと、区は拡幅の工事をしない | ガイドでは確かめていない(制度の有無は不明) | 区道・私道を問わず、区が拡幅整備を行う(受託整備)。ただし国や地方公共団体、都市計画法の開発行為、区の宅地開発の指導要綱の適用を受ける場合などは、建築主等が自分で整備する(自主整備) |
| 後退用地の固定資産税・都市計画税 | ガイドでは確かめていない(制度の有無は不明) | 区のページに「非課税の対象になります」と書かれている(実際は申告が必要。下の「固定資産税の扱い」を参照) | 非課税の申告手続きを区が代行する(委任状が必要)。ただし、非課税の対象になるかどうかの判断は都税事務所が行う |
| 後退や隅切りへの奨励金 | ガイドでは確かめていない(制度の有無は不明) | 重点整備路線・整備地区内の、建物の建て替えとは関係なく、道を広げるのに協力した人への助成(建て替えのときの扱いは、この記事では確かめていません)。寄付または無償使用承諾で区管理になるもの=1か所30万円、東京都建築安全条例による隅切りで所有者管理のもの=1か所5万円 | 2026年4月から細街路拡幅整備奨励金事業が始まった。対象は大塚5・6丁目、千駄木2・5丁目、根津2丁目で、建て替えのときに道路を後退して整備に協力した、協議の建築主または土地所有者。交付額は後退面積1平方メートルあたり20万円(上限200万円)。整備の完了期限は、大塚5・6丁目が2026年4月1日から2031年3月31日まで、千駄木2・5丁目と根津2丁目が2026年10月1日から2031年3月31日まで。予算の都合で締切が早まることがある。土地を売買したときの扱いは、区のページに書かれていない |
| 窓口 | 建築安全課 建築線・狭あい道路整備担当 | 都市整備部 狭あい道路整備課 狭あい道路係 | 都市計画部 地域整備課 細街路担当(文京区は「狭あい道路」ではなく「細街路(さいがいろ)」と呼ぶ) |
| ガイドの確認日 | 2026年10月13日 | 2026年10月14日 | 2026年10月17日 |
出典:世田谷区「狭あい道路拡幅整備事業について」「狭あい道路拡幅整備工事について」(2026年5月27日更新)、杉並区「狭あい道路拡幅整備事業」、文京区「細街路拡幅整備事業」(2026年9月3日更新)「細街路拡幅整備奨励金事業」。確認日は表のとおり。助成の金額や対象は年度ごとに変わることがあります。申請する時点の内容を、区の窓口で確認してください。
表の「ガイドでは確かめていない」は、制度がないという意味ではありません。当サイトが調べていない、という意味です。世田谷区の欄が空いている項目も、窓口で聞いてください。
3区を並べると、同じ「下がる」でも、世田谷区は道路の種類ごとに整備の形が決まり、杉並区は区が整備して隅切りに奨励金が出て、文京区は区道・私道を問わず区が整備して、後退した面積に奨励金が出る(対象は一部の町丁)、というように、制度の組み立てそのものが違うのが分かります。また、文京区だけが「時間」を区のページに書いています(立会の予約が2か月程度先まで入っていることもある、協議完了まで立会から1か月程度)。売る前に工程を見ておける区は、いまのところ文京区だけです。ただし、他の2区に制度がないという意味ではなく、当サイトが確かめていない、ということです。詳しい中身は、それぞれのガイドで説明しています。世田谷区は世田谷区が定める4つの整備の形と協議の期限、杉並区は杉並区の隅切り奨励金と後退用地の非課税、文京区は文京区の細街路拡幅の流れと分割売りの指導要綱をご覧ください。
ここに
杉並区の隅切り奨励金は、区内のどこでも出るものではありません。自分の土地が対象かどうかは、番地を伝えて窓口で聞くのが確実です。
ほかの6区のガイドは、制度の中身までは確かめていません。代わりに、売る前に区へ何を聞くかを整理しています。
- 足立区:足立区で前の道路の種類を聞くときの準備
- 葛飾区:葛飾区の窓口で「何項道路ですか」と聞く手順
- 北区:北区で道路の種類を窓口で聞くときに持って行くもの
- 板橋区:板橋区でセットバックが必要な土地の事例を探すコツ
- 練馬区:練馬区の角地で出る隅切りとセットバック
- 目黒区:目黒区の窓口名と、売る人に使えるか分かれる除却助成(前の道路を調べる窓口は区のページに書かれておらず、代表窓口で担当課を聞く形です)
表の杉並区の欄は、区のページの書き方をそのまま載せています。ただし、非課税にしてもらうには、都税事務所への申告が必要です。その手続きは、次の「固定資産税の扱い」で説明します。
固定資産税の扱い
下がった部分を、誰でも通れる道路として提供していると、「固定資産税・都市計画税非課税申告書(公共の用に供する道路)」を出すことで、翌年度分から非課税になることがあります(東京都主税局)。23区では固定資産税・都市計画税は都税なので、窓口は土地の所在地を管轄する都税事務所です。申告には、後退した部分の位置と面積が分かる図面(測量図など)を添えます。手続きの詳しい要件は、都税事務所で確認してください。
ここに
下がる部分は道路として扱われます。塀や門だけでなく、駐車場として使い続けることも適切ではありません。買い手が「ここに車を置ける」と誤解しないよう、図面で示しておくと安心です。
建て替えできることが確かめられたら、複数の会社の査定額を比べてみましょう。形や条件が、価格にどのくらい響くかが見えてきます。
よくある質問
Q. セットバックしないまま売ってもよいですか?
売ることはできます。下がるのは建て替えのときなので、多くは買い手が家を建てるときに対応します。ただし、下がる距離と面積は事前に説明する必要があります。
Q. セットバック部分に車を停めてもよいですか?
下がった部分は道路とみなされるため、建物も塀も門も作れません。駐車場として続けて使うことも、通行のじゃまになるので適切ではありません。
Q. 測量をしてから売るべきですか?
下がる面積を正確に示すには、測量が役に立ちます。隣との境界がはっきりしない場合は、確定測量も考えてみましょう。進め方は境界を確定させる測量の流れをご覧ください。
Q. 査定額はセットバック後の面積で出るのですか?
多くの場合、査定は下がった後に使える面積を基準に考えます。広告でも、登記の面積とあわせてセットバックの面積が示されます。査定額の根拠を聞くときは、どの面積で計算したかを確かめてください。
Q. 私道の場合もセットバックは必要ですか?
私道でも、2項道路に指定されていればセットバックが必要です。私道の通行や、水道工事で道を掘るときの承諾については、私道の持分と承諾書の話で説明しています。
まとめ
- セットバックは、42条2項の道路に面した土地で、道路の中心から2mまで下がるルールです。
- 後退部分は敷地面積に含まれず、建物も塀も作れません。狭小地ほど影響が大きく出ます。
- 後退距離は区で中心線を確認してから計算し、面積を数字で示しましょう。
- 買い手には、道路の種類・後退面積・後退部分の扱い(寄付/無償使用承諾/保有)を書面で説明できるように準備します。
- 助成や非課税の扱いは、区役所と都税事務所で確認が必要です。
道路のルールの基本は接道義務の解説、査定で見られる点は狭小地の査定のポイントにまとめています。セットバックのある土地をどう売り出すか迷ったら、説明資料の準備から一緒に考えます。


