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空き家の買取|仲介で売れない家を業者に買ってもらう方法と価格の目安

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親から相続した家に、もう誰も住んでいない。片付けも解体も手が回らず、そのままになっている。そんな空き家を抱える方から、「仲介に出しても売れる気がしない。いっそ業者にそのまま買い取ってもらえないか」という相談をよく受けます。

空き家の買取は、こうした悩みに向いた売り方のひとつです。ただ、仲介とどう違うのか、価格はどのくらい下がるのか、どんな空き家に向いているのかを知らずに進めると、後から「もっと条件を比べればよかった」と感じることになりかねません。

この記事では、空き家の買取の仕組みと仲介との違い、買取価格の目安の考え方、買取が向いているケース、古家のまま売るか解体するかの比較まで、順番に説明します。

結論
空き家の買取は、不動産会社が直接買い主になる売り方です。仲介より早く確実に売れますが、価格は仲介より低くなりやすい傾向があります。
残置物がある、傷みが激しい、遠方に住んでいて管理できない、相続人が複数いて早く現金化したいといった事情があるなら、買取は有力な選択肢です。
税金の特例や放置のリスクはこの記事の中心ではありません。関連する記事とあわせて読むと、判断の材料がそろいます。

空き家をどう売る?買取のほかに知っておきたいこと

空き家について調べていると、税金の特例、放置のリスク、古家付き土地の売り方など、似たテーマの記事がいくつも出てきます。まず、この記事がどこを扱うのかを先に整理しておきます。

この記事のテーマは、「空き家を、業者にそのまま買い取ってもらう」という出口の選び方です。売って利益が出たときの税金の話は空き家の3,000万円控除|使えるかどうかの確かめ方と相談先で扱っています。空き家をそのまま放っておいたときのリスクは特定空家とは?空き家を放置するリスクと固定資産税が上がる流れ、古家を残すか壊すかの判断は古家付き土地の売却|相場・注意点と解体するかの判断基準にまとめました。読み進めて気になるテーマが出てきたら、行き来してみてください。

片付けや相続の手続きも含めた、実家を手放すまでの全体の順番を先に知りたい方は、実家じまいの進め方と売却までの順番も参考にしてください。

空き家の買取とは?仲介との違い

空き家の買取とは、不動産会社そのものが買い主になって、空き家を直接買い取る売り方です。仲介は、不動産会社が間に入って個人などの買い手を探します。誰が買うかが違うだけですが、そこから価格・期間・手間の差が生まれます。

買い取った空き家は、業者がリフォームして売り直したり、解体して新しく家を建てたりします。仲介の場合は、内覧の対応や条件交渉など、売り主自身が動く場面も多くなります。

比較項目 仲介 買取
買い主 主に個人 不動産会社
価格 市場価格に近くなりやすい 仲介より低くなりやすい
売れるまでの期間 数か月以上かかることも多い 早ければ数週間程度
残置物・古い家財 片付けを求められることが多い 残したまま引き取る条件が多い
契約不適合責任 負うのが一般的 免除される条件が多い
内覧・近所の目 何度も内覧対応が必要になりやすい 内覧が少なく、近所に知られにくい

仲介と買取、どちらが合うか

仲介

  • 価格は市場に近くなりやすい
  • 売れるまで数か月かかることも
  • 片付け・解体を求められやすい

買取

  • 早ければ数週間で現金化
  • 残置物ありでも引き取りやすい
  • 価格は仲介より低くなりやすい

ことばの解説:契約不適合責任

売った家や土地に、契約の内容と違う欠陥が後から見つかったとき、売り主が負う責任のことです。空き家は雨漏りやシロアリなど、見えない傷みを抱えていることが少なくありません。買取では、この責任を免除する特約を付けて売るのが一般的です。

空き家の買取価格はどのくらい?目安の考え方

買取価格は、仲介で売れそうな価格より低くなりやすいのがふつうです。「仲介の7割程度」といった数字を紹介しているサイトを見かけますが、国や公的機関が公表している統計ではなく、根拠がはっきりしません。実際の下がり幅は、傷み具合や残置物の量、立地によって差が大きく、決まった割合はないと考えておいたほうが安全です。

例えば、仲介なら2,000万円くらいで売れそうな空き家だとします(あくまで仮の数字です)。買取ではこれより低い金額が提示されるのが一般的ですが、いくら下がるかは物件の状態や業者によって差が大きく、目安になる決まった割合はありません。実際の金額を知りたい場合は、複数の買取業者に見積もりを依頼して比べるのが確実です。

業者は、買い取った後にいくらで売り直せそうかを先に見積もり、そこから解体費用やリフォーム費用、諸経費を差し引いて買取価格を決めます。空き家の場合は、解体して更地で売り直すか、リフォームして再販するかで、業者が見込む費用がだいぶ変わってきます。同じ立地の空き家でも、傷み方によって業者の評価が割れやすいのはこのためです。

ここに注意

空き家は、残置物の量・傷みの程度・接道の状況で買取価格が下がりやすくなります。片付けや簡単な修繕を先にしておくと、下げ幅を抑えられることもあります。

売るまでにかかる費用や税金の全体像は、土地売却の税金と費用|内訳と、税額を自分で見積もる手順に整理しています。



土地売却の税金と費用|内訳と、税額を自分で見積もる手順

空き家の買取が向いているケース・向いていないケース

買取が向くのは、「早く」「そのまま」「知られずに」手放したい事情がある空き家です。逆に、急いでおらず、時間をかけても高く売りたいなら、まず仲介を試す価値があります。

買取が合うかどうかの目安

買取が向いている

  • 家の中に家財が残っていて片付けが大変
  • 傷みが激しく、個人の買い手が付きにくい
  • 遠方に住んでいて、内覧や管理の対応が難しい
  • 相続人が複数いて、早く現金化して分けたい
  • 近所に知られずに売りたい

買取が向いていない

  • 駅に近く、建物の傷みも少ない
  • 売却を急いでおらず、時間をかけても高く売りたい

相続人が複数いる場合、名義や意思の確認がそろわず、売却そのものが止まってしまうことがあります。共有のまま話を進める方法は、共有名義の土地を売るには|全員の同意が必要な理由と進め方で詳しく説明しています。

買い手はこう見る

買い取る会社の担当者が空き家を見るとき、まず目が行くのは残置物の量です。家具や布団、古い家電がそのまま残っていると、片付け費用を見込んで価格を出します。片付けをどこまで先にやるかで、出せる金額の幅がだいぶ変わるのです。全部業者任せにするか、貴重品や思い出の品だけ先に運び出すか。それだけでも、話がずいぶん早く進みます。

借家人が住んだままの貸家は、空き家とは売り方の考え方が変わります。借家人がいる家をそのまま売るか、出てもらってから売るかを先に読んでおくと、買取に出す前の整理がしやすくなります。

古家のまま買い取ってもらうか、解体してから売るか

空き家を売るとき、解体してから売るか、古家付きのまま買い取ってもらうかで迷う方は多いです。結論から言うと、多くの場合、古家付きのまま業者に見積もりを頼むのが近道になります。

道路古家付きのまま売る築40年解体して更地で売る更地
古家付き土地:解体すると買い手は見つけやすくなる一方、解体費がかかり、固定資産税の軽減もなくなります。

業者は、解体してから買うにしても、古家付きのまま買うにしても、最終的に近い金額を見込みます。解体費用は、どちらにしても価格のどこかで調整されるため、売り主が先に大きな費用を払う必要は基本的にありません。むしろ先に解体してしまうと、業者ごとの評価を比べる機会を失うことにもなりかねません。

解体してから売る場合の費用の決まり方は、木造の解体費用は何で決まる?見積もりの取り方と狭小地の注意で詳しく説明しています。

買取を依頼する前にできること

  • 電気・水道・ガスの契約が残っていないか確認する
  • 権利証(登記識別情報)や固定資産税の納税通知書を探しておく
  • 貴重品や形見の品だけ、先に運び出しておく
  • 境界標があるか、見える範囲で確認しておく

古い家を残すかどうかの判断は、住宅用地の固定資産税の特例や再建築できるかどうかによっても変わります。ここまでの詳しい判断基準は、古家付き土地の売却|相場・注意点と解体するかの判断基準にまとめています。そもそも家が売れない原因が建物にあるのか土地にあるのかを先に知りたいときは、家が売れないときの見分け方から読むと整理できます。



古家付き土地の売却|相場・注意点と解体するかの判断基準

残置物や解体をどこまで自分でやるべきか、判断に迷う場合は、進め方を一緒に整理します。

空き家の買取業者を選ぶときの注意点と流れ

買取業者選びで大事なのは、2〜3社に見積もりを頼み、金額と条件の両方を比べることです。最初に提示された1社だけで決めてしまうと、本当はもっと有利な条件があったのに気づけないことがあります。なお、ネットで申し込むと、そのあと確認の電話が来ることがあります。聞かれることと、答えられなくてよいことは買取の申し込みのあとに来る電話で、何を聞かれるかで整理しています。

空き家の買取までの流れ

  1. 複数社に見積もりを依頼現地を見てもらい、金額と条件を聞く
  2. 条件を比較する残置物・契約不適合責任・決済時期を確認
  3. 契約・決済売買契約を結び、代金を受け取って引き渡す

見積もりを比べるときは、金額だけでなく、残置物をそのまま引き取ってもらえるか、契約不適合責任が免除されるか、決済(代金の支払い)がいつになるかまで確認してください。業者の種類ごとの得意分野や、見積書でチェックすべき点は、土地の買取業者の選び方|見積もりで確認すべき5つの点と業者の種類で詳しく取り上げています。



土地の買取業者の選び方|見積もりで確認すべき5つの点と業者の種類

複数社を一度に比べたい場合は、一括査定サイトを使う方法もあります。仕組みと気をつけたい点は、一括査定サイトは狭小地に向いている?メリット・デメリットと使い方で紹介しています。

空き家がいくらくらいで買い取ってもらえそうか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、相場の幅がつかめます。

よくある質問

Q. 空き家をそのまま、片付けなしで買い取ってもらえますか?

残置物を含めて、そのまま引き取る条件で買い取る業者は多くあります。ただし、その分は査定額に反映されるため、貴重品だけ先に運び出しておくと安心です。契約前に、残置物込みの条件かどうかを確認してください。

Q. 買取ならリフォームしなくても売れますか?

はい。買取では、傷んだ状態のままで買い取ってもらえることが一般的です。業者が買い取った後にリフォームや解体をして売り直すため、売り主がリフォームする必要は基本的にありません。

Q. 遠方に住んでいて空き家を見に行けません。買取は進められますか?

郵送や代理人とのやり取りで進められる業者もあります。ただ、現地の確認が必要な場面もあるため、対応できる範囲は業者によって異なります。見積もりを依頼する段階で、遠方でも進められるか確認しておきましょう。

Q. 空き家を放置したまま買取を依頼しても大丈夫ですか?

買取自体は進められますが、放置期間が長いほど傷みが進み、査定額に影響することがあります。特定空家に指定されると税金にも関わってくるため、詳しくは空き家を放置するとどうなるかを確認してください。

Q. 買取価格に納得できない場合、仲介に切り替えられますか?

契約前であれば、仲介に切り替えることは可能です。判断に迷う場合は、仲介の査定額と買取の見積もりを並べて比べることをおすすめします。

まとめ

  • 空き家の買取は、不動産会社が直接買い主になる売り方。早く確実に売れるが、価格は仲介より低くなりやすい。
  • 買取価格は仲介より低くなりやすいが、決まった割合はない。残置物・傷み・立地によって差が大きいため、複数社の見積もりで確かめる。
  • 残置物がある、傷みが激しい、遠方で管理できない、相続人が複数いる、近所に知られたくないといった事情があれば、買取は有力な選択肢。
  • 解体してから売るより、古家付きのまま複数社に見積もりを頼むほうが近道になりやすい。
  • 業者選びは金額だけでなく、契約不適合責任や決済時期などの条件も含めて2〜3社を比べる。

空き家のほかにも、再建築不可・事故物件・共有持分など、売りにくい理由はいろいろあります。種類ごとの入口は訳あり不動産・訳あり土地とは?種類別の売り方と買取の使いどころにまとめました。



種類別の売り方と買取の使いどころ|訳あり不動産・訳あり土地とは

空き家をどう売るか、仲介と買取のどちらが合うか迷っている場合は、状況に応じた進め方を一緒に整理します。

この記事の監修者:十坪とつぼさん(宅地建物取引士)
東京23区で土地の仕入れ営業を担当する宅地建物取引士。狭小地・旗竿地・古家付き土地など、小さくて売りにくい土地を日々見ている。

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