相続した空き家にかかる税金|持っている間・相続のとき・売ったときの3つを一枚で
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親から空き家を相続したものの、「結局、税金はいくらかかるのか」が見えずに困っていませんか。調べると、固定資産税、相続税、譲渡所得税と、似た名前の税金がいくつも出てきます。どれが自分に関係するのかも、分かりにくいところです。
この記事では、相続した空き家にかかる税金を、持っている間・相続のとき・売ったときの3つに分けて一枚で並べます。計算の細かい話はせず、「どの税が、いつ、誰にかかるか」をつかむことに絞りました。詳しく知りたい税金は、それぞれの記事へご案内します。
結論
相続した空き家の税金は、毎年かかる「固定資産税」、相続のときの「相続税」、売ったときの「譲渡所得税」の3つです。かかる時期も、かかる人の条件も別々です。
税率や控除額、特例の期限は改正で動くため、この記事には書きません。自分の場合の金額は、税務署・区の窓口・税理士で確かめてください。
相続した空き家の税金は3つ|かかる時期と対象を一枚で整理
3つの税金は、かかる場面がそれぞれ違います。まず全体を見て、自分がいまどこにいるのかを確かめてください。
空き家の税金が出てくる3つの場面
- 持っている間固定資産税・都市計画税。空き家のままでも毎年かかる
- 相続のとき相続税。財産の合計が大きいときだけ。相続登記には登録免許税もかかる
- 売ったとき譲渡所得税・住民税。売って利益が出たときだけ。使える特例がある
表にすると、次のとおりです。
| 税金 | かかる場面 | かかる人 | かかる条件 | 詳しい話 |
|---|---|---|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 持っている間(毎年) | 毎年1月1日に所有している人(相続した年の請求先は、下で説明) | 空き家でも、更地でもかかる | 特定空家と固定資産税、更地にしたときの扱い |
| 相続税 | 相続のとき(1回) | 財産を相続した人 | 財産の合計が基礎控除を超えるとき | 相続した土地を売る流れと税金 |
| 登録免許税 | 相続登記をするとき | 名義を変える人 | 登記をするとき | 相続登記の義務化 |
| 譲渡所得税・住民税 | 売ったとき(売った翌年に申告) | 売って利益が出た人 | 売った値段が、買った値段と費用を上回るとき | 土地売却の税金と費用 |
ポイント
3つは「いつ」が違うので、全部が同時に襲ってくるわけではありません。固定資産税は持ち続ける限り毎年、相続税と譲渡所得税は、それぞれの場面で1回ずつです。まず、いまの自分がどの場面にいるかを見てください。
持っている間にかかる税金|空き家でも毎年かかる固定資産税
空き家で誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年かかります。住んでいるかどうかは関係なく、土地や建物を持っている事実にかかる税金だからです。
こと
土地や建物の持ち主にかかる、市区町村の税金です。毎年1月1日に持っている人が、その年の分を納めます。東京23区では、都市計画税と一緒に、都税事務所から納税通知書が届きます。
年の途中で相続した場合の請求先や、納税通知書が誰の名前で届くかは、状況によって違います。相続した年は、通知書がまだ亡くなった方あてに届くこともあります。区の窓口(都税事務所)に、亡くなった日と相続人を伝えて聞くのが確実です。相続登記が済んでいないときの手続きも、同じ窓口で教えてもらえます(東京都主税局の案内による)。
空き家を放置すると、税の負担が増えることがある
家が建っている土地には、固定資産税を軽くする仕組み(住宅用地の特例)があります。ところが、空き家を放置して区から勧告を受けると、この軽減が外れることがあります。「空き家は税金が6倍になる」という話の正体はこれで、くわしい範囲や流れは特定空家とは?放置するリスクと固定資産税が上がる流れにまとめています。
もうひとつ、よく迷うのが「壊して更地にすれば税金が下がるのか」という点です。実は逆で、更地にすると軽減が外れて負担が増えることがあります。税の扱いが変わる日は毎年1月1日なので、壊す時期もからんできます。この点は更地にすると固定資産税はどうなる?解体と売却の時期の決め方で扱っています。
相続のときにかかる税金|相続税と、相続登記の登録免許税
相続税は、相続した財産の合計が一定の額(基礎控除)を超えたときだけかかります(出典:相続税法、国税庁タックスアンサー)。空き家1軒を相続しただけで、必ず払うわけではありません。大事なのは、空き家だけでなく、預貯金や株式など、相続する財産をまとめて見ることです。
相続税がかかる場合は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告と納税をします。基礎控除の額や税率は改正で変わることがあるので、国税庁のタックスアンサーで今の内容を見るか、税理士に聞いてください。申告期限と、売るタイミングの関係は相続税の申告期限と相続した土地を売る時期の関係で説明しています。
相続登記にかかるお金
相続した土地や建物の名義を自分に変える相続登記では、登録免許税という税金を納めます。土地の固定資産税評価額に、法律で決まった割合を掛けて出します。割合や、一定の場合に免除される仕組みは改正で変わることがあるため、この記事には書きません。国税庁のタックスアンサーか、法務局で今の内容を確かめてください。相続登記は期限つきの義務になっています。手順と過料は相続登記の義務化とは?期限・過料と、売る前にやることで確かめてください。
相続で空き家を取得したとき、不動産取得税はかかる?
家や土地を買ったときにかかる不動産取得税は、相続(相続人への遺贈を含む)で取得した場合は、かからないと地方税法に定められています。ただし、相続人以外の人が遺言で譲り受ける場合などは、扱いが違うことがあります。迷うときは都税事務所に聞いてください。
売ったときにかかる税金|譲渡所得税と、使える特例
空き家を売って利益が出たときは、譲渡所得税と住民税がかかります。利益は、売った値段そのものではなく、売った値段から、買ったときの値段(取得費)と売る費用を引いた残りです。
こと
土地や家を売って出た「利益」のことです。売った値段から、取得費(買ったときの値段)と譲渡費用(仲介手数料や測量費など)を引いて出します。この利益に税金がかかります。
相続した空き家は、亡くなった方が買ったときの値段(取得費)や、持っていた期間を引き継ぎます(出典:所得税法、国税庁タックスアンサー)。親が買った金額が分からないときもあるでしょう。その場合の考え方は、土地を売った翌年の確定申告に載せています。
売ったときに軽くできる特例は2つ
相続した空き家を売るときには、税金を軽くできる特例が2つあります。
売ったときに使える特例(条件・期限は改正で変わります)
相続空き家の3,000万円控除
- 売って出た利益から、一定額を差し引ける
- 家の状態や売る時期など、要件が細かい
取得費加算の特例
- 相続税を納めた人が、決まった期間内に売ったとき
- 納めた相続税の一部を、取得費に足せる
3,000万円控除には、売る時期の期限があります。ここで「3年以内」とだけ覚えていると、数え方を間違えます。期限は「何年何か月以内」ではなく、ある年の12月31日で区切られるのが国の説明です(相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、というのが基本の考え方です。国税庁タックスアンサー No.3306)。この特例を使える売却の期間そのものにも終わりがあるので、今の期間は国税庁で見てください。ほかにも条件が細かいので、使えるかどうかは空き家の3,000万円控除の確かめ方で相談先を確認し、税務署か税理士に聞いてください。
売った翌年には確定申告が必要です。期限と書類は土地を売った翌年の確定申告|期限・必要書類で見られます。
ここに
特例は、売ったあとで「使えなかった」と分かると取り返しがつきません。解体するか、貸すか、そのまま売るかによって、使える特例が変わることがあります。動く前に、税務署か税理士に聞いてください。
3つの税金を比べて、売るか持つかを考える
空き家を持ち続けると、売らなくても税金は毎年かかり続けます。一方で、売ると、利益が出たときに一度だけ税金がかかります。どちらが得かは、利益の大きさや特例が使えるかで変わるので、一概には言えません。
考えるときは、次の順で見るのが整理しやすいです。
空き家の
- 毎年の固定資産税・都市計画税の通知書を探した(届く時期は自治体で違う)
- 相続税がかかるか、税務署か税理士に確かめた
- 相続登記を済ませた、または進めている
- 売るなら、使える特例があるか、売る前に聞いた
- 買ったときの値段が分かる書類を探した
売るか持つかは、税金だけでは決まりません。管理の手間、近所への影響、売りやすさもあります。まず、実家の売却の全体像(相続・兄弟・税金)で全体を見ると、判断しやすくなります。売るなら、古家をつけたままにするかどうかで買い手が変わるので、古家付き土地の売却も見てください。
税金の話を聞く先に迷うときは、税金・登記・境界の相談先の一覧表に、窓口を一覧にしています。売り方の整理から手伝ってほしいときは、こちらから相談できます。
税金のことは誰に聞く?窓口の使い分け
税金は、窓口によって答えてくれる範囲が違います。自分の金額を出してもらうなら、税理士か税務署です。
| 知りたいこと | 聞く先 |
|---|---|
| 固定資産税の金額、通知書の宛先 | 都税事務所(23区) |
| 相続税がかかるか | 税務署、税理士 |
| 相続登記の手続き | 法務局、司法書士 |
| 売ったときの税金、特例が使えるか | 税務署、税理士 |
こうした窓口には、固定資産税の納税通知書、相続関係が分かる書類(戸籍や遺産分割協議書)、登記事項証明書、買ったときの契約書(あれば)を持って行くと、話が早く進みます。
片付けや解体の費用も、売るときの利益から引ける「費用」になるものがあります。木造の解体費用や実家じまいの費用を4つに分けた目安で、全体の費用感をつかんでおくと、税金の見通しが立てやすくなります。
空き家の税金で、先に決めておきたいこと
最後に、売る前に決めておくと慌てないことを3つ挙げます。
1つめは、持ち続けるか、売るかです。持ち続ける間は固定資産税が毎年かかります。2つめは、売る時期です。固定資産税は1月1日、譲渡所得税は売った年の1月1日の所有期間で変わります。3つめは、買い手の見つけ方です。仲介で売るのか、業者の買取にするのかで、手取りが変わります。
古い家が傷んでいて仲介で売りにくいときは、空き家の買取で業者に買ってもらう方法もあります。買取は、仲介より価格が低くなりやすい点に注意してください。いらない土地の手放し方はいらない土地を相続したらや国に返す場合の審査手数料と負担金も比べてください。
空き家の相場がいくらくらいか、まずは複数の会社の査定額を並べてみると、税金を引いた後の手取りの見通しが立ちます。
よくある質問
Q. 空き家を相続したら、税金は必ず3つともかかりますか?
いいえ。固定資産税は持っている間は毎年かかりますが、相続税は財産の合計が基礎控除を超えたときだけ、譲渡所得税は売って利益が出たときだけです。自分がどれに当たるかは、税務署か税理士で確かめてください。
Q. 誰も住んでいない空き家でも、固定資産税は払うのですか?
払います。住んでいるかどうかではなく、毎年1月1日に持っているかどうかで決まります。使わない家でも、持ち続ける限りかかります。
Q. 空き家を壊したら、税金は安くなりますか?
安くなるとは限りません。家が建っている土地にある軽減が外れて、土地の固定資産税が増えることがあります。壊す前に、都税事務所か更地にしたときの税の扱いで確かめてください。
Q. 相続した空き家を売ると、必ず税金がかかりますか?
売って利益が出なければ、譲渡所得税はかからないことがあります。特例が使えれば、さらに軽くなることもあります。使えるかどうかは、空き家の3,000万円控除の記事をご覧のうえ、税務署か税理士に聞いてください。
まとめ
- 相続した空き家の税金は、持っている間の固定資産税、相続のときの相続税、売ったときの譲渡所得税の3つ。
- 固定資産税は、空き家でも毎年1月1日に持っている人にかかる。放置すると軽減が外れることがある。
- 相続税は、財産の合計が基礎控除を超えたときだけ。売ったときの税金は、利益が出たときだけ。
- 売ったときの特例は、条件と期限が改正で動く。売る前に、税務署か税理士に聞く。
- 税率や控除額はこの記事に書いていない。自分の金額は、窓口で確かめる。

